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チキンハートの本領発揮。
死の森で、私はあらゆる危険回避に努めた。
とにかく大蛇丸回避。
使えるものはヒナタでも使う。白眼って便利!
シノは大変協力的だった。蟲たちを惜し気もなく探索に使ってくれた。
匂いがするとか音がするとか、キバの好奇心と闘争心はすべて無視。赤丸を掻っ攫えば、大人しくついて来た。
カワイイ赤丸はずっと私の腕の中。アニマルセラピーにて、私の心を支えてくれる。とても良い子だ。
決して犬質ではない。
チャクラ補給の兵糧丸ならたくさんある。どんどん能力使ってください。
班員フル稼働させた結果、かすり傷ひとつ負わなかった。
探知系能力、万歳!
精神的には、追い込まれていく気がするが…。
瓢箪と扇子と人形が見えた。
スルーする。
わざわざ争う理由がない。確か彼らももうすでに巻物は揃えていたはず。
気付かれないように(たぶん気づかれたが)ちょっと離れた脇を通り過ぎた。全速力で。
あれ?
一番乗りって我愛羅達じゃなかったっけ…?追い越した?
まぁ、話の流れには関係ないはず。
この班で良かった。
アスマ班だったらナルト達を助けなきゃいけない。サクラやリーがボロボロにされるくらいの音忍と戦うなんて無理。うん、無理。ごめん。
でもって大蛇丸はもっと無理!
『私』という不確定な因子。
そのせいで、思わぬ強敵にエンカウント。みんな殺されてしまいました………なんて事になったら最悪だ。
塔に着いたら、尋問かも。
なんて思って内心震えていたのに、何もない。
………何故に!?
ちょっ、まさかイビキさん?火影様にあの折り鶴渡してない?ただの折り紙だと思った!?おいおい、アンコさんが大蛇丸確認してるはずでしょッ!?
天地の巻物から出てきた中忍さんも、迎えてくれた紅先生も、何もない。
「あなた達、一番乗りよ。こんなに早いなんてすごいわ!」
いつもと同じ麗しい微笑みで誉めてくれる紅先生に、ちょっと泣きたくなった。
あのね?
大蛇丸がいるの。カブトも危ないの。音忍だって怖いの。
それに火影様は何にもリアクション寄越してくれないの。
心中で泣き言。
口にはしないが。
「おい、いい加減赤丸返せ」
え、この状態の私から赤丸を奪うの?キバ、ひどい子。
「そんな顔すんなよ………赤丸は俺の忍犬なんだからな」
チッ、仕方ない。しぶしぶ赤丸を返した。相当情けない顔をしてたに違いない。
期限まで控室にいるように言われたが、そこでも何もない。
放置はやめてぇッ!?
期日に集合がかかるまで、大変苦痛デシタ。