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キバ、シノ、ヒナタが仲間になった!(RPG風に)
あ、赤丸も。



微妙だ。超ビミョー。

主人公組でないのは良い。あんなチーム、命がいくつあっても足りない。しかしこの班って…話の流れに関わっている。脇役とは言え、主人公クラスだ。それにアカデミーでの私は出来る限り一人でいたから、仲良しではない(仲良しはそもそもいない)。

「うちだけ四人だけど、賑やかでいいわ。よろしくね」
にこやかに言う紅先生は、大変お美しい。前世も今も色気とは無縁の私には刺激が強い。ドキドキしてきた。いや、決して女色ではない。

シノは無口。ヒナタは内気。私は出来る限りひっそり。キバが赤丸と騒いで、紅先生に叱られ、それを生暖かく見守る光景が浮かんだ。










翌日のサバイバル演習は、飴取りだった。
鈴はカカシ先生オリジナルか?しかし飴玉はちゃんと人数分、四つある。数合わせなかったのは、奴の底意地の悪さーーーいやいや。

「じゃ、始めるわよ」
飴玉を切り株に置いた先生の合図で、それぞれ姿を隠した。



チリンと鈴がなる。
てっきり鈴取りだと思って用意したのだ。陽動くらいには使えるだろうと。世の中上手くイキマセン。

茂みから見てみれば、キバと赤丸が先生に突進し、簡単に返り討ち…最初隠れただけで、後はナルトと変わらない。吹っ飛ばされた一人と一匹は、再び向かっていった。阿呆だ。
うん、そのまま時間かせぎしといて。

森の中に潜んでいたヒナタを見つける。
「ヒナタ、組もう。シノとキバとも」
「う、うん」
「白眼でシノを探してー」
「ここにいる」

ギャーッ!

ちょっとビックリ。
背後にシノがいた。ちゃんと考えて組もうとしてくれたのか。

「えーと、まずキバを助けよう」



チリンと鈴を鳴らして、キバと対している紅先生の背後に出る。こっちを振り向いた隙にシノがキバを拉致…いや、保護する。ヒナタの投げたクナイが先生の気をそらしている間に私も逃げた。



「何すんだよ!?」
「うっさい。声でかい。先生にばれる。ヒナタ、白眼で先生確認して」
「う、うん…」
不服そうだが、とりあえず黙るキバは、少しはナルトより頭がいいようだ(ごめん、ナルト)。
「キバ、四人で組むのが得策だ。なぜなら相手は上忍だからだ」
「…どうすんだ?」
切替が早いのも良いところか。
「い、いたよ…切り株の傍」
ヒナタの目の回りがピキピキしてる。私が言ったのだが、目の前でされると…か、顔が!なるべくヒナタの顔を見ないようにした。










ーーーチリン

切り株を背にしている紅先生の前に出る。真っすぐ向かう私に、先生は正拳突き(カッコイイと思ってしまった)。
さっと間にシノが現れて、先生の拳を受け止める。それと同時にキバが攻撃を仕掛けて、先生は片腕を取られたまま、もう片方の腕で受ける。シノの背後で、私は印を組んだ。

「水遁ーーー」
「なっ!?」

私の口からネバッとした液体が出て、紅先生の足を拘束する(我ながらちょっとグロい)。
チッと舌打ちして、二人の腕を払った先生は、印を組んだ。

「幻術を教えてあげるわ」

シノとキバは、一瞬顔を歪ませたかと思ったら、その場で固まる。幻術にかかったのだ。けれどサエの体は、ブワッと小さな黒い蟲の塊になって消えた。シノの蟲分身だ。

「!!………どこに?」

ーーーチリン、リン

先生は、思わず音のしたほうに向くが、そこにいたのは鈴をくわえた赤丸。それと同時に上から降ってきた投網に体の自由が効かなくなる。
キバが攻撃をした時に分身と入れ代わり、赤丸に鈴を渡したのだ。
しまったと思った時には、サエはすでに切り株の前。網にかかって不自由なまま、先生は手裏剣を投げるが、ヒナタのクナイに相殺された。先ほど網を投げたのもヒナタ。白眼でずっと見ていたのだ。

「あ、いちご味」

ピンク色の飴玉は、四つともサエの手の中。
チャクラを当ててキバとシノの幻術を解く。微妙に冷や汗だか脂汗だかかいてるが、どんなもの見せられたんだ?

「…合格よ」

何しろ、四対一。紅先生を足止めさえ出来れば良いのだ。

 
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