2008年3月。
花の蕾も膨らみ初めた、春。
出逢いと別れの季節。
今も忘れない、あの涙…。
普段は気が強くて、大声挙げて笑ってる勝ち気なアイツ。
可愛い顔してるけど、男勝りで意地っ張り。
時々、間違ってセーラー服を着てしまってるのではと思ってしまう程。
式も終わって、教室で担任から最後の挨拶。
声を挙げてしゃくりあげて泣く女子、対照的に声を殺して鼻をすする男子。
皆を見てて冷静になってしまい、泣くタイミングを逃した自分。
ふと「きっとアイツもタイミングを逃したのでは…」等と些か卑しい気持ちで、窓際の一番後ろに視線を向けた。
自分の期待は、脆くも崩れ落ちた。
アイツは…泣いてた。
子供みたいな泣き方じゃなくて、年頃の女の子特有の「守ってあげたくなる」感じ。
…守ってあげたくなる?
俺が、アイツを?
脳裏を掠める小さな疑問が、やがてはこれからの二人の物語のキッカケになるとは誰が予測出来ただろうか…。
と云う訳で紆余曲折を経て、このバンドが始まりましたとさ。