FF7短編集裏
□トップスターの恋人。
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テレビ、雑誌、看板。
彼女を見かけない日はない。
そして、会える日も滅多にない。
『ここのパスタ、いいでしょ?この前見つけたの♪』
「ああ、悪くない」
誰と行ったんだ?
そんな事聞いたって、分かり切ってる。
俺とは全く住む世界の違う奴らだ。
『次、いつ会えるかなぁ…』
「休みないのか?」
寂しそうにコクンと頷く。
目深に被った帽子とサングラスで、表情なんて分からない。
「2月7日だよな?」
『え?』
「誕生日…エアリスの。」
途端にエアリスの頬が赤く染まった。
『知ってたの?!嬉しい…』
「あんたは、有名だからな。」
『でも、嬉しい♪』
楽しそうにデザートのケーキを頬張る姿に微笑んでしまう。
まだ間に合う。
無理を言って一ヵ月…
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