小説2

□Please tell me all your worries.
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人はいずれ去っていく。
あなたの大切な人だって、いつか居なくなってしまうかもしれない。
去っていったその『穴』を埋める為に
人は強くなる。
その人が居なくても大丈夫なように。
一人でも生きていけるように。
そして人は、強くなる。
――なってしまう。


強い…――それは隠すのが上手なだけ。
本当は弱い。
本当は泣きたい。
本当は誰かと一緒に居たい。
そんな気持ちを心の奥へ押し込んで、見ないフリして、何でもないって笑って。
強さ…――それは自分自身の弱さを隠していけるかどうか。

強い人ほど、内側は弱いんだよ。
強い人ほど、泣きたくなるんだよ。

『強さ』を『弱さを隠すこと』と定義づけるならば、
本当にそんなものは必要?

私は、さらけ出せる世界をつくりたい。
弱さをカバーし合う世界をつくりたい。
強さなんていらない世界をつくりたい。


みんなが弱くてもいい。
みんなが心から笑えるならそれでいい。
泣きたくなったら泣けばいい。
涙を拭いあえる仲間がいるならそれでいい。


それだけで、強さは必要なくなるから。






Please tell me all your worries.
 〜あなたの心の丈をすべて打ち明けて〜







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