小説

□ムカつく、大好き、愛してる
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「すいません、トムさん…ちょっくら行って来ます…」

静雄が不意にそんな言葉を呟いた
「え、ちょ…おい!」
その表情は世界をブッ壊してしまいそうな程の怒りに溢れた顔だった。

「いぃぃざぁやぁぁぁ〜〜ッッ!!!!」


あぁもう、
また始まった。

<折原 臨也>
この辺に住む奴なら名前くらい知っている
なんでも知っている情報屋で、裏で色々手ひいてたりするらしい。
…どういう訳か静雄はその折原臨也と知り合いなようで、出会えばすぐに殺しに行っている。
……確実に良い仲では無さそうだがな。

そして、こうやって仕事中でも奴を見つければ飛んでいってしまう

…正直…
……………ムカつくよなぁ?……

だから今日俺は静雄に「アレ」を渡しておいた
『静雄に怪我してほしくないから』というのは建て前で、
本当は『あいつにトドメを刺しちまえばいいのに』てな所だ。

だが本当に、静雄を傷つけるなんて許せねぇ……
つまりまぁ、どっちも本音だ。

静雄はいつも腕力だけで戦おうとするから中途半端になるんだよ…ったく…
静雄なら「アレ」使えば完璧だろう?

勝て。
絶対勝て。
勝ってそいつをすっきり忘れて、


俺んとこに来い。





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