その他

□別れ
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僕は貴方の事をずっと見てました

上司に立ち向かう貴方が健気に見えて


ずっと一緒にいたいと
思っていました



でも




「曽良君?」




僕には時間がないんです





貴方と一緒にいたくても


互いに存在する時代が違う




「妹子さん」



もう少しだけ

このままで居させてください




貴方を抱きしめる度に

胸が締め付けられる



苦しい



「名前、呼んでください」


「曽良君」


「もう一回」


「曽良君…」


「もう一回…っ」


「…っ、曽良君っ…!」





さよなら






あと数分で僕は

あの旅に戻ります



芭蕉さんと生きる時代へ




あなたはこのまま

太子さんと生きる時代に

留まるのです




これで いいのです











『愛してます、妹子さん』


さよなら





















「おーい、ツナー!じゃなかった

妹子ー!!」



「だからツナ関係ないから!

好物でもなんでもねーよこのバカが!」


「お前どんどん口が悪くなってるな

…ていうか、目が腫れてるでおま」



「目にゴミが大量に入ったんですよ」


「やーい妹子の泣きむs…

ポピーーーーーっっ!!!」











「もう曽良君どこ行ってたの?

あまりにも暇だったから俳句詠んでたよ」


「見せてください」



『海の日ってある意味怖い』



「この下手男がっ!」


「あべしっ!」


「早く起きてください

松島まであと少しですよ」



「わかってるよ…ってあれ

曽良君、少し目腫れてる?」



「何か言いました?」



「いや気のせいみたい」



「しっかりしてくださいよ芭蕉さん」


「ほら、綺麗な空だよ」


「そうですね」







この青空を

貴方もどこかで見ているのでしょうか



その度に僕を

思い出してくれるでしょうか






.

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