マンキン

□誕生日
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「やぁ、葉。元気だった?」

「ハオ、とりあえず窓から入るな靴を脱げ」


いきなりハオが
窓から入ってきた

いつもとなんか違う

ウキウキしてる…というか
なんか地に足がついてないみたい

気持ち悪い


「ちょ…気持ち悪いとか言わないで」

「心読むな!」

「ひどいなー。せっかく葉に
プレゼントあげようとしたのに」

「え?プレゼント?」


今日…何の日?


「誕生日!僕らの!」

「お、おぉっ!そそうだっ!け!」


カレンダーに目を移すと

今日は5月12日

あ、本当だ


「お前本当に忘れてたの?
んもー、可愛いー!」

「誕生日を命日にしてやろうか?」

「ごめんごめん(笑)
とりあえず、はい」

「ん?なんよ?」


渡された箱は
可愛いラッピングがしてあった

え、待って…オイラ男…


「何とまどってるの?
早く開けなよ」

「お、おぉ…」


とりあえず
可愛らしいラッピングを
解き始めた

相変わらずハオは
楽しそうにこちらを見てくる




視線が痛い…(泣)
つか恥ずかしい(泣)



「ごめんね、葉
お前があまりにも可愛くて」

「だから心読むなって!」



ちょっと拗ねながら
ラッピングを剥がし

その箱を開けると



「…ぁ」


中には、



「携帯電話」

「そう、気に入ってくれた?」



緑色の携帯


「ちなみに僕と色違い」

「あのさ、お金は…?」

「あぁ、それなら心配無用だよ
ラキストに金はまかせてあるから、
安心して使いなよ」

「お、おぉ」


戸惑いを隠しながら
オイラは笑顔を作った


「ハオ、ありがとな」

「良いよ。葉が喜んでくれたみたいだし」

「うん、」


ハオの笑顔に
オイラは和まされた

この時間がずっと続けば良いと思った


「あとな、」




カチャ



ドアが開く音


「葉」

「ア、アンナ」

「買い物、行ってきてくれる?」

「お、おぉ!行く!今すぐ!」


アンナはオイラに買い物かごを渡し
下へ降りて行った

そしてハオを思い出し
振り向いた


「…!ハオ…っ」


けど

そこにはもう
あいつの姿はなかった


ルパンみたいなやつだな

そんな事を考えてると
ハオからメールがきた



『HAPPY BIRTHDAY』


「ハオ…」


あとな、

お前に伝えたい事があるんよ


「あいつらしいな」




「『誕生日おめでとう』」
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