マンキン

□狂ってる
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僕の両手は真っ赤だ

毒々しいって言うか

生々しいって言うか


深紅の薔薇の色の方が

あってるかな


あー…綺麗とか
おまえらは言うんだろ?

まぁ僕にとっては

綺麗とも言えない色


気持ち悪いね本当に


だってさ


あいつらの血だよ?

ホントは触りたくもなかったし

直接手を下したくはなかったんだ


けど







この気持ち悪い液体を

葉に見せたかったんだ


え、なぜかって?


仲間の血を見て

狂わない奴なんていない


あいつは狂ってる方が綺麗だよ


絶対


かわいい葉が狂えば
もっと美しく艶やかになる

だからとりあえず

見せてみる


「ハオ…どうしたんよ、その手」


真っ赤だ



僕らの邪魔ばかりする
やつらの血だよ

どう?気持ち悪いだろ?



「…それがどうしたんだ?」


反応は期待ハズレ

泣き叫びもしないし
僕を殺ると思ったのに

そんな事もない


なんで、

お前ほど仲間思いのやつが
取り乱したりしないのか


まさか

この血が誰のか分かってない、とか



「ねぇ、葉。
この血誰のか分かっ…」

「アンナ達の、だろ?」


じゃぁなんで尚更


「どうでもいいんよ。
だってもうあいつらなんて

オイラの仲間じゃねぇ」



ふーん

なんだ

そんな反応じゃ
面白くないや


多分、僕の愛故の調教が
やりすぎたんだ

そうか、残念



じゃぁお前が今一番大切なのは?

「なんでそんな事聞くんよ。
ハオだけだよ」


あぁ、やっぱりやりすぎた


うーん、どうしよう





仕方ない


最終手段




「ねぇ、葉。
僕が死んだら…?」

「ハオ、死んじゃうの…っ?
やだやだぁあぁぁっ!!」



思った通り


僕はそこにあった
鋭利なナイフを手に取った

それを首に近付ける


「やめろよ…っハオぉ…っ」

泣きそう

でも

綺麗だねその顔


「葉」

葉の肩が大袈裟に跳ねた


「お前は狂ってる方が美しい」


そして


「狂っちゃえよ」


僕はナイフで自分の首を切った



遠くで葉が叫んでる

あぁ、美しい

やっぱりお前は狂ってる時が
一番綺麗だ



結局

ここまでしてまで
狂ってる葉を見てる自分って

本当に狂ってるよね

葉よりも、誰よりも、

僕が一番狂ってた





何これwww

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