マンキン

□雨滴る
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雨の日


セカイがブルーになる
そんな日 だからこそ

お前と手を繋ぎ

歩きたかった



「葉」


寝てるんだか 死んでるんだか
微動だにしねぇ…


「葉…おーい…」


…葉…


何度呼んでも奴は起きねぇ

ちきしょぅ… でも


こいつは

こんな綺麗な顔 してたっけ



雨脚が強くなる

刹那の永遠が
俺らを飲み込む



そして俺は

こいつの耳元で


「葉」


こう呟いてた



「俺はお前を―――…」


















「…―――護りたい、か」

オイラがあまりにも起きねぇから

一人で散歩に出掛けたホロホロ


狸寝入りしてたから
全部知ってる


顔赤くして言った言葉
傘持って歩く後ろ姿


本当は好きって言いたかった事



「全部…知ってるんよ」


しかし恥ずかしいな

よくあんなん言えるな



あぁ、そうか


ホロホロよりもオイラの方が
顔真っ赤にして
緊張してたのか…



「うぅ…恥ずかしい」




追いかけよう

ホロホロに

自分の気持ちも伝えたいから



『オイラも大好きだ』って



玄関にあった傘を握り締め

彼のもとへ走った…



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