めいん・死神
□おほしさま
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星が輝く夜空。
あなたも見てるかな??
「はあーっ」
と吐けば白い息が宙を舞った。
只今12月の夜中12時屋根の上。北極より寒い…気がするくらい寒い。
なんでこんなバカなことしてるかというと、理由はただ一つ。
おほしさまが俺を呼んだから。
「あー、寒い!!……でも見ていたい。」
なぜだかずっとこの星を見ていたかった。
あなたも…一護も見てるかな??
この星を。
一護と出逢ったのは、雨の日のバス停だった。その日は雨のせいでバスが遅れていたため、俺は普段は待たないバス停のベンチに座ってバスを待っていた。
『隣いいですか??』
ぼーっとベンチ座っていた俺に一護は話しかけてきた。
話してみると、気さくなやつだった。
同い年で、家も意外に近かった。
『名前は??』
『恋次、阿散井恋次。』
『そっか。恋次か。俺は黒崎一護。よろしくなっ。』
そう言ってニコっと笑った顔を、俺は忘れない。
それからメル友になって、一緒に食事したり、一緒に遊んだりするようになっていくうちに…。
俺は一護を好きになっていた。
勇気を出して告白すると、驚いたことに、一護も同じ気持ちだった。
「一護…。逢いてぇよ。」
わがまま言っちゃいけない。迷惑ばっかかけらんない。
分かっているけど…。
俺は星に願った。
一護に逢いたいって。
「恋次ぃ!!」
「!!」
びっくりして振り返ると、そこには今一番逢いたかった人。
「一護…!!おまっ、どうやって屋根の上に登って??」
「そこの梯子使った。恋次屋根の上に居んのかなって思って登って来た。」
そう言うと、一護は俺をギュッと抱き締めた。
「なんかよ、星見てたら急に恋次に逢いたくなってよ。来ちまった。」
あっ、俺と…。
「俺も同じこと考えてた。」
「マジ??赤い糸かもねっ。」
そう言って笑った顔は、あのときと変わらない笑顔。
「星がきれいだなあ。」
「うん。……なあ一護。」
「なんだ??」
「いつまでも、何年先でも俺と一緒にいてくれるか??」
お前の未来に俺はいますか??
「当たり前だろ。死んでも俺は恋次と一緒だ。
そしてまた同じ場所で、同じ想いで、同じ星を空を見ような。」
「一護…っ。」
「泣くなよぅ恋次。」
一護は俺の涙を親指で優しく掬うと、キスをした。
そんな二人を輝く星たちは、見守っていた。
えんど。