あんけーと りく

□俺だけを見ていて
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俺お前のこと好きなのに。お前のこと大好きなのに。

ゾロのこと…、


なのに何で
何でお前は


「俺だけを見てくれないんだよーッッ!!」

「ひぃ!!…どどど、どうしたサンジ…υ」

「なっ…なんでもねぇ…っ」


それは平和な午後3時過ぎ。おやつの時間も終わって、静かなキッチンに突然響きわたったサンジの声。

飲み物を取りに来たウソップは、サンジの叫び声に驚いた。


「何か最近お前おかしいぞ。何かずっと考え込んでるみたいでよ。」

「あー……いや、別にそんなことねぇよ?」


嘘です。
嘘つきました。

本当は1日中ゾロのこと考えてます。
本当は1日中ゾロのこと想ってます。
本当は1日中ゾロのこと見ています。


でも…、

いくらウソップでも、さすがにこのことは相談できねぇよ…。


「そうか?ならいいけどよ。」

「お、おう。ありがとなウソップ。」

「どーも。疲れてんだったら今時間あるんだからちょっとくらい寝とけよ。」


そう言ってウソップはキッチンを出ていった。







「はぁ…。」


心配してくれたウソップには悪ぃんだけどよ…。

どーも最近眠れねぇんだよなぁ。

胸が苦しいっつーかさ。


「はぁ…。ホントの恋ってこーゆーのなのかな。」


今まできっと人を心から好きになったことねぇのかもしれねぇ。

いや、レディは好きだぜ?

でもこの好きとあの好きは違うっつーか…。


てか何でマリモなんだよ。
この船にはナミさんもロビンちゃんもいる。

あんな美女なかなかいねぇ。

なのに何で…、


「あんなマリモでアホで筋肉ダルマのやつなんかを…」

「誰がマリモでアホで筋肉ダルマなんだ?」

「……へ?」




なーんか今
ものっそい近くで声聞こえた気ぃすんだけど…。



「ひぃぃ…!!…っうわぁ!!」


俺はびっくりして思わず椅子から転げ落ちた。


「痛てて……。」

「アホかてめぇ…υ」


だって普通驚くだろ。
ずっと考えてたやつが、突然目の前に現れるんだから。


「なな、何だよ!」

「水飲みに来ただけだ。」


そう言うとゾロはコップに水を入れ、ごくごくと飲み始めた。



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