鋼の錬金術師短編夢

□僕の傍に
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「大丈夫か?」

「えぇ・・・すみません、大丈夫ですよエドワードさん」


最近咳がよく出る・・・

熱は無いし体調も悪いわけじゃなから、おそらく風邪ではないだろう。

原因は・・・多分・・・


「つってもお前最近頻繁じゃねぇか、一度医者に見てもらったほうがいいんじゃねぇの?」

「そう・・ですね・・・」

「あぁ、どうせなら姉貴に診てもらえよ」

「カノンさんに・・・ですか?」

「あれ、言ってなかったっけ・・・姉貴は医者なんだぜ?」


朝食を取りつつその人物を思い浮かべる。

エドワードさんのお姉さんという事は彼女もこの世界とは別の世界から来たという事・・・

凄く綺麗で凛とした大人の女性で、笑った顔がとても優しくてすごく印象的だった。

住み込みで仕事をしていて住居は別だけど、なにかとエドワードさんを気に掛けていて、よくここにも来る。

夕飯を作ってくれたりお菓子を焼いてくれたり・・・

いつのまにか目で追っていた・・・
気がついたら・・・彼女を好きになっていた。

話しているときもその博識さには驚かされたけど、でもまさか医者だとは思わなかった。


「アルフォンス、今日ちょっと出かけてくるな」

「え?でも今日はカノンさんくるって電話ありましたよ?」

「あー・・・そうだっけ?まぁいいじゃん、アルフォンス予定ないなら姉貴の相手してやってくれよ」


いや、ちょっとエドワードさん。

予定をずらすとか断りの電話を入れるとかいう選択肢は無いんですか・・・

それよりも・・・

カノンさんと二人きりって初めてなんですけど・・・


「折角来てくれるのにエドワードさんがいないんじゃ・・・カノンさんがっかりしませんか?」

「平気だろ、別にオレだけに会いにくるわけじゃねぇし。んじゃ行って来る!」

「ちょっとエドワードさ・・・」


呼び止めるも遅くエドワードさんは出て行ってしまった。

それにしても"オレだけに会いにくるわけじゃない"ってどういうことだろう。

丁度こっち方面に用があるついでなのかな・・・

そんな事を考えながら食事の後片付けをし、自室でロケットの図面をひいたりしていると玄関のノック音が聞こえた。
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