鋼の錬金術師短編夢

□真紅に惹かれた
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"カノンのご飯たべたいナ・・・"

「あ?カノン?」



前にも聞いたなこの名前・・・いつだったか・・・

あぁそうだ、俺がこの身体に入った時にそう呼ばれてる奴がいたっけ・・・

頭が良さげで凛とした物怖じしなさそうな女・・・

しかもかなりの美人ときたもんだ。



「おい、そいつが何処にいるか知ってんのか?」

"ン?カノンなら今頃家じゃないかナ?なんでダ?"



なんで?ハッ!教えるかよそんなもん。



「お前家知ってんだろ?教えろ」

"断ル!カノンのご飯は食べたいけド、嫌な予感しかしないから教えなイ"



腹の立つヤローだ・・・ったく!

あぁけど、俺ぁ運がいい・・・

ふと街の店に目をやれば居やがった、カノンだ。

口角を上げてその姿を追う、追っていけば家もわかんだろ。

そんな俺に中からリンのヤローが怒鳴ってるが無視だ無視。

折角だから品定めさせてもらおうじゃねーの

で、追って来たはいいが・・・・

んだこれ・・・なんつー家だこりゃ・・・

かなり広い敷地に馬鹿でかい家・・・



「おいガキ、あのカノンとかいう女なにもんだ?」

"カノンは国家錬金術師で軍の准将さんだヨ。いくらお前でも、妙な事したらただじゃすまんゾ?"



おいおいなんだそりゃ、きれーな顔してトゲだらけってか?



「ハッ!お前も昔ボロボロにやられたクチか?」

"俺はないヨ、カノンは俺に優しいからネ"



まぁ・・・相手が何であれ、そんくらいで諦める俺じゃねぇけどな。

お、丁度良く開いてる窓があるじゃねーの
入るとあいつが持ってたトランクが目に入った。

ベッドにはあいつが着ていた赤い服の上下、近くのドアからは水の音。

無防備この上ない状況・・・って訳ね



"おイ!グリード何を考えてル!"

「うるせぇな、黙ってろ」



水音がする扉を開ければ暖かい湯気と共に半透明のビニールカーテン。

カーテンに写るシルエットがなんとも言えない雰囲気をかもし出す。

行き成りカーテンを捲って壁に押し付けてやったら・・・どんな反応してくれんだろうなぁ?

カーテンに手をかけた、その時だ。

逆に勢いよく中から腕をひかれたかと思えば、暖かい湯の降り注ぐバスタブの中に押し付けられ咽元に当たる剣のひやりとした感触に息を呑んだ。
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