鋼の錬金術師長編夢
□変化
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「ねぇ兄さん、さっき言ってた昔のケンカ・・・」
「ん?なんだよアル」
「姉さんと結婚するのはーって奴、兄さんはアレまだ有効?」
「はぁ!?」
屋上で取っ組み合いをしたエドワードとアルフォンスは、まだその場に居た。
一度は部屋に戻ろうと立ち上がったのだが、アルフォンスが話があるとその場に留まったのだ。
柵を背もたれにするように二人はすわり、再度腰を落ち着けた。
「な、何言ってんだアル!ガキの頃の話だろ!!」
「ねぇ兄さん、照れるのは分かるんだけど正直なところどうなの?」
顔を赤く染めてアルフォンスの方を向くエドワードだが、なぜか真剣な雰囲気に言葉を続ける事が出来なかった。
アルフォンスもそんな兄の様子を察してか照れやなところを察してかそれ以上突っ込んで聞く事はせず自分の思いを告げた。
「じゃあこれはボクからのお願い・・・姉さんを頼むよ兄さん・・・」
「・・・・アル?」
「ボクは姉さんが好き、でも・・・今のボクじゃ姉さんが本当に辛い時、力いっぱい抱きしめてあげる事も、温もりをあげることも出来ない・・・
今の状態で無責任に好きだなんて言えない、ボクは絶対元に戻る!だからそれまで、ボクの分まで、姉さんを支えてあげてよ・・・兄さん・・・」
「アル・・・オレは・・・」
「勿論兄さんが姉さんを好きで、両思いになったならそれはそれでいいんだ。他の人なら嫌だけど、兄さんなら納得できるし嬉しいから・・・
ね・・・・兄さん、頼んでいいよね・・・?」
聞かずとも返ってくる答えはアルフォンスには分かっていた、けれど言って欲しかったのだ。
エドワードも真剣なそのアルフォンスの言葉に、ただ肯定の言葉だけを返した。
「・・・あぁ、分かったアル。」
「うん、ありがと兄さん・・・・実はね、言ってないことがあるんだ・・・姉さんの事・・・」
「姉貴の・・・?」
「ねぇ兄さん、第五研究所で何があったの・・・」
「・・・・?なんでそこで研究所の話・・・に・・・」