鋼の錬金術師長編夢
□同行
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『いいからシャワーが先だ!風邪を引いたらどうする!』
「わかった!わかったからオプションはいらん!!」
『バカを言うな!そんな腕でどうするつもりだ!!』
「バカは姉貴だー!!」
「もう・・・兄さんも姉さんもいい加減にしなよ・・・」
カノンの執務室で騒ぐエドワードの顔は真っ赤で、その正面に立ちタオル片手に詰め寄るカノン。
そして呆れ顔のアルフォンスがいた。
雨の中を全員ずぶ濡れで帰ってきたばかりだ。
鎧なアルフォンスは仕方ないとして、温まらないと風邪をひいてしまいかねない。
そこでシャワーを浴びて温まれというカノンと、それを拒否するエドワードの言い合いが始まったのだ。
『現場の後処理してるジャン達が帰還したら、ロイが今回の奴の事も踏まえて説明をしてくれる!
まだ少し時間があるから先に温まっておけといってるんだ!』
「入らないとは言ってねぇだろ!?」
『よし、では行こう』
「だからなんで姉貴が一緒にくんだよ!!」
『片腕だと髪洗ったり不便だろう』
「もういいじゃない兄さん、姉さんの言う事も間違ってはないし洗ってもらえばいいじゃん」
「アル・・・お前楽しんでんだろ・・・」
『このままでは埒が明かんな、アル、すぐ戻るから待ってろ』
「うん、いってらっしゃい姉さん、兄さん暴れちゃダメだよ?」
「はなせえぇぇぇぇえ!!!」
エドワードの必死な叫びも虚しく、首根っこをつかまれてそのまま風呂場まで引きずられていく。
そしてゲッソリと疲れ果てたエドワードをつれて、皆が集まる執務室へと足を運ぶのだった。
「・・・なんだ大将、さっきより疲れてねえか?」
「・・・ほっといてくれハボック少尉」