鋼の錬金術師長編夢

□笑顔
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「なんだか・・・別人みたいですねぇ准将・・・」

「今までの俺らの苦労は一体・・・」

「全ては大佐の所為・・・てことですかねぇ?」


ブレタ、フュリー、ファルマンは信じられないようなものを見るような目で、終始にこにこと微笑みながら兄弟に絡んでいるカノンを見ていた。

今まで不機嫌に怒鳴っているカノンしか記憶にないからか、心境はなんとも複雑そうだ。

ハボックもロイも、そんな三人の様子に苦笑している。

エドとアルはソファーに並んで腰を下ろし、カノンはソファーの背を二人と挟むようにして後ろに立ち、
座っているアルの首に両腕を回し抱きついている形で会話をしていた。


「びっくりしたよ、あんな姉さん今まで見たこと無いもん」

「大佐が胃が痛いっつってたのがわかったわ俺・・・」

『ま、全ては自業自得だがな?
 おかげでリゼンブールを出てから大分毒ばかり強くなってしまった・・・』

「それにしても姉さん、暫く会わない間に綺麗になったねぇ〜。」

『はは、アルは嬉しいこと言ってくれるなぁ』

「だってホントだもん!ね、兄さん!」

「・・・ま・・・まぁ・・・」


アルに言われ改めて後ろの姉を振り返りその姿を確認する。

確かに数年会わないだけで、女というのはこうも変わるのかと言うほど綺麗になっていた。

気がつけばエドの顔は熱を帯び、何故か脈が早くなる。

だがそれよりも、冷静になった頭で姉を見るとその服装にたじろぎ、今度は逆に血の気が引くような気がした。


「そ、それよりもだな!姉貴!もちょっと服なんとかしろよ!!」

『何・・・?何処かおかしいか?』


エドに言われ、アルの首に巻きついていた腕を解き慌てて自分の服装を確認し始める。

自分では気にならないかもしれないが、はたから見ればかなり刺激的な服装だ。

スカートは膝上20cmはありそうで、階段でも上ろうものなら下からは下着が見えてしまうのではないかというきわどさ。

上もホルターネックのビキニなため、形のいいふくよかな胸の谷間が覗いている。

普段はジャケットを羽織っているとはいっても、やはり露出は高い。

兄の言葉に姉の方を振り向いたアルも、その姿に改めて声を上げた。


「って・・・そうだよ姉さん!それちょっと布少なすぎだよ!!
 駄目じゃないかせめて下にレギンスみたいなのでも穿いてよ!」

『しかし動くのに邪魔でなぁ?服なんて必要最低限でいいだろう?』

「つったってそれはあんまりだろ!」

「スカートも短すぎ!!唯でさえ姉さんは人の視線集めちゃうんだから!
 もうちょっと危機感とか羞恥心とか持ってよね!?」

『っていっても・・・服着込むと動きづらいし暑いしなぁ・・・
 見られるくらい別に減るもんでもない、良いんじゃないか・・・?』

「「よくねぇ!!/よくない!!」」


姉に対してすごい剣幕で詰め寄る兄弟に、傍観者は唖然としていた。

なんというか、弟達も姉が好きで仕方が無いのが伝わってくる。
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