コナン&まじ快
□今だから気付く事
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「あぁそうだ新一、今度空手の大会あるんだよね!それ優勝したらさ、連れてってよトロピカルランド!」
「トロピカルランドぉ?」
「いいじゃないたまには!ね、栞も誘ってさ!三人で行こうよ!」
「栞も・・・か、いいぜ!優勝したら俺の奢りで連れてってやるよ!」
「やったぁ!じゃあ新一、今日も栞のとこ行くんでしょ?話しておいてよね」
「分かった、んじゃまたな蘭」
「うん、また明日!」
まぁ蘭の事だ、結果を待たずとも決行する事になるだろう。
栞と出かけるのなんて久しぶりすぎて嬉しくなる。
実際の所、栞が帰ってきてから何度か外へ誘ってみようとは思っていたけど、なんかタイミングがつかめなくて・・・
なんと言って切り出していいか分からなくて、毎日一緒にいるくせに、気がつけば一ヶ月が過ぎていた・・・
自分でも情けねぇとは思う。
けど、家に行くのとは違って、改めて外に誘うなんて照れくさくて・・・
だから蘭が栞も一緒にと言ってくれた時、表には出さねぇけど心の中では飛び上がりそうになるほど有難かった
早く栞に伝えたくて、気がついたら何時もより早足でマンションの入り口まで来てしまっていた
栞の部屋の番号を入力し呼び出しボタンを押す
いつもならそう待つ事無く栞がコールに応じるのだが、今日はなかなか応答が無い
(どっか出かけてんのか・・・?でも今朝は何も言って無かったよな・・・)
買い物にでも行ってんのかと思ったけど、何となく気になってもう一度呼び出してみる
すると暫くしてようやく・・・消え入りそうな栞の声が聞こえてきた・・・
『は・・・・い・・・』
「・・・栞?おい、どうかしたのか?」
『え・・・あ、新一?ごめん、もうそんな時間か・・・待って、すぐ開ける・・・』
「お・・・おぉ・・・」
目の前の自動ドアのロックが外れると、俺は居ても立ってもいられなくてエレベーターまで走った
上行きのボタンを押すが、なかなかエレベーターが降りてこずイライラしてしまう
最近目に見えて無理をしているのは分かってた、けどインターホンの応答に出るのにもそれだけの時間を要するほどなんて考えもしなかった
やっとの事で部屋の前まで行くと、示し合わせたようにその扉が開かれる
「栞!お前大丈夫かよ!?」
「んぁー、新一いらっしゃーい・・・だいじょーぶ、ただ眠いだけだからー・・・」
「バーロー!」
全っっ然大丈夫じゃねぇだろうが!!
何処の世界にただの寝不足でこんなにフラフラになる奴が居るってんだ!
足元すら覚束ない栞の膝裏に手を回して抱き上げると、突然の事にびっくりしたのか栞も慌てて俺の首に腕を回した