コナン&まじ快

□死別と旅立ち
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両親が亡くなった・・・

仕事で1週間ほどロスへと行く用ができ、暫く夫婦で旅行をしていなかったからと二人で出かけていった。

見送りに空港で見た二人の楽しそうな顔が鮮明に記憶に残っている・・・

私を気遣いずっと付き添ってくれた工藤夫妻が、まだ11歳の私を一人で家にほっておく事は出来ないと工藤宅に私の部屋を作ってくれた。

祖父母が引き取るという案も出ていたのだが、遠く離れた地方だった事と、私もそこを離れたくなかった事、そして両親が工藤夫妻信頼し親密であった事を踏まえそれで納得する形になった。

けれど私は時が止まったかのように幾日も部屋から出る事ができず、ひたすら泣き続ける事しか出来なかった。

まさか人生で始めて向き合う人の死が自分の両親になるなんて夢にも思わなかった。

考えてみれば、生前の両親もこんな思いをしたんだろうかと今更ながらに思ってしまった・・・

そうなると不の思考ループはとめる事が出来ず、大事な人を2人も失った悲しみと、生前の両親への申し訳無さがこみ上げてくる。

親よりも先に逝くなんて、最大の親不孝だ・・・

もう自分の事さえ分からなくなりかけて、混沌とした意識の世界に引きずり込まれていた・・・

そんな私に温かいぬくもりを与えてくれたのは、他でもない優作さんと有紀子さんだった。

代わる代わる私の元へ来ては、"一人じゃない、此れからは私達が君の家族になろう"と抱きしめてくれた。

其れだけではない、新一もだ・・・

嫌な夢を見て泣きながら目を覚ますと、いつも新一が私の頭を撫でてくれていた

少しずつではあるが何とか落ち着きを取り戻すと、ようやく頭を働かせる事が出来た。

まずやらなければと思ったのは、両親が亡くなった現場を訪れる事・・・

自殺とされていた両親の死だったが、私は納得がいかなかった。

どうしても信じられなくて、些細な事でも何か分かるならとロスの別荘へと足を運んだ



「栞くん、大丈夫かい?」

「えぇ・・・それよりもこんな所まで付いて来て貰ってすみません・・・」

「それくらいは何でもないさ。何より小学生の君を一人で海外に行かせるなんてそれこそ私には大問題だからね」

「普通の小学生ではないのに・・・ですか?」

「当然だ。本当は小学生云々というより・・・今の君を一人になんて出来ないというのが本音かな?」

「・・・有難う御座います」



優作さんの運転する車に揺られて着いた別荘・・・

車の窓からその建物を見れば、本当にそこで人が死んだとは思えない綺麗な佇まい。

なんだかそのドアを開ければ両親が出迎えてくれそうな気さえしてしまう。

堪らず浮かんでくる涙を堪えながら車を降り、運転席にいる優作さんへと一礼する。
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