コナン&まじ快

□思いがけぬ再開と近くなった距離
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「ねー快斗、次本屋行かない?欲しい本があるって言ってなかった?」

「あーそうそう、今日発売日なんだった!」



あの深夜の出会いから二日後の日曜、俺は幼馴染の青子と買い物に来ていた

・・・というよりはつき合わされたといっても良いかもしれない。

けどまぁ自分もちょうど欲しいものがあったし、特に用があった訳でもなかったから共に出かけてきたと言う訳だ。

色々青子の買い物を済ませ、次は本屋へと足を向けたときだ。



「っきゃあ!?」

「っな、青子!?」



俺の方に叩きつける用に倒れてきた青子の身体を受け止めると、何があったのかと周囲を見渡す。

すると青子の横を通り過ぎた一台の自転車、そしてそれに乗る男の手元には、青子が肩にかけていたショルダー付の鞄が握られていた。



(引ったくりかよ!!)

「大丈夫か青子!あのヤロォ!」

「うん、でもどうしよう・・・」

「待ってろ、俺が・・・」



と、どんどんと遠くに離れていく自転車を俺が追いかけようと踏み出した時だ

不意に腕を捕まれ手元に投げられたハンドバッグ・・・



「君!悪いけどこれちょっとお願い!」

「・・・へ?」



一瞬状況が把握できず、声が振ってきたほうを向くが時既に遅く、確認できたのはすごいスピードで自転車の後を追う女性の後姿だった。

走っているにも係わらず、ありえないスピードで駆けていくその人の足元を見れば、2輪タイプのインラインスケート。

"なるほど"と、あれなら追いつけるだろうと納得するも、追いかけているのは女で相手は男。

追いつけたとしても、相手が暴力に出ないとは限らない。

俺はハッとして、その二人から視線をはずさないよう慌てて追いかけようとするが、目の前で繰り広げられた一瞬の出来事に一歩を踏み出す事も叶わなかった。

あっという間に引ったくり自転車を追い越し正面に躍り出た彼女は、走行中の犯人のハンドルを持つ腕をつかみ上げ、背負い投げのような形で大の男を宙に舞わせ地に叩き付けたのだ・・・

その衝撃に地べたから起き上がれない犯人の腕を後ろ手に押さえつけ動きを拘束する。

そして何よりも驚いたのは、真剣な厳しい眼を犯人に向けるその人の顔・・・



(・・・っ栞・・・!?)



そう・・・それは正に二日前の月夜の晩・・・

物語のような1コマとも言える様な出会いをした彼女の姿だった。

俺の足はその場に縫い付けられたように動けず、横で青子が呼ぶ声がしているのに、反応する事ができなかった・・・

自分が覚えているのは、彼女のちょっとおどけたような表情や暖かく微笑む柔らかい表情。

しかし今目の前にいる栞の犯人を見る射るような瞳、打って変わって凛とした姿・・・

そのギャップに、また胸が熱くなるのを感じていた。

栞が犯人を取り押さえてからそう間も空かぬうちに、交差点の角にある派出所の警官が到着していた。

その警官へと犯人を引き渡し少しの会話の後、こちらを指差した栞が一人の警官と共に俺達のほうへと走ってくる。
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