コナン&まじ快
□生と死と、それからの11年
1ページ/11ページ
身体の弱かった私は本を読むのが好きだった。
学校にもまともに行けぬ日々、培われていくのは本の知識ばかりで、自分の中で想像することが唯一の自由な世界だった。
中でも特に好きだったのは推理小説で、アガサ・クリスティや江戸川乱歩、コナン・ドイル、エラリー・クイーンは特に読み込んでいた。
気がつけば自分でも小説を書くことをはじめ、いつの間にか推理作家として食べていけるまでになっていた。
けれど情報は本やテレビのみ、自分で描く舞台の地に行ってみたいと何度思ったことだろう。
自分の本がどれだけ人気でいくらお金があったとしても、その地に行くのは叶わないのだ。
何かの賞を受賞したときでさえ、その授賞式には出ることもできなかった。
本の世界は読むのも書くのも楽しいけれど、もし輪廻転生・・・なんてものが本当にあるのならば、願わくば次は健康な身体でいろいろなことをしてみたい。
学校にも行ってみたい、友達を作って遊んでみたい、それに恋だってしてみたい。
そんな幻想を心のそこで"もしかしたら"と望みながら、私は25の誕生日、その生涯を終えた・・・