コナン&まじ快
□降り立つ純白と不思議な彼女
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「・・・んー・・・」
「こんな所で寝ていると風邪をひいてしまいますよ、お嬢さん?」
「・・・・へ?」
声をかければ寝起きで視界が定まっていなかったであろう彼女の瞳が大きく開かれ、その黒曜石のような光を帯びた双瞳と目が合った瞬間、自分の心臓が一際大きく鳴った気がした・・・
「か・・・っ、か・・・か、かいっかい・・・っキッ・・キ!!?!?」
「あぁ、驚かせてしまいましたか。こんな寒空で寝ておられたので気になってしまいまして・・・」
よほど驚かせてしまったようで此れでもかというほど目を見開き、言葉すらままならない状態に心の中で吹き出してしまった。
思わず手をとりその甲に口付けを送ると、それまで大慌てしていた彼女の動きがぴたりと止まったかと思えば勢いよく椅子から立ち上がる。
怒らせてしまったかと思い声をかけるとその直後、彼女の行動にこっちがあわてる羽目になるとはよもや思いもしなかった。
「すみません、お嫌でしたか?」
「いえ・・・あの、ちがくて・・・ちょ、ちょっとごめんなさい!!」
「・・・・え?」
"ドプン"という水音と共に、俺の視界から彼女が消えた。
その行動があまりにも想定外で、俺のほうが硬直してしまった。
けれどすぐハッとして思考を走らせるも、どうしていいのか考えあぐねてしまう。
(いやいやいやちょっと待て!!なんでプールに飛び込む!?
ってかほっといていいのかこれ!?
頭まで浸かってる挙句にあがってこねぇんだけど!?)
落ちたわけでも落とされたわけでもなく、自分の意思でのことだからほっといていい気はするのだが行動の真意が分からないだけに慌てるしかない。
少しなら様子を見てもと思い暫く時をおいては見るが、今度は違う意味であせりを感じ始める。
(・・・ハイパーベンチュレーションとか・・・やってなかったよな・・・そろそろ1分超えるぜ!?
ちょ、大丈夫なのかよマジで!!けど浮いてくる様子ねぇし・・・あぁもう!!)
様子を見るのにも限界を感じ、マントを脱ぎ捨て俺もそのプールへと飛び込んだ。
潜って彼女の姿を探せば、自分の身体が浮かないようプールから出入りするための梯子を片手で握り、もう片方の手で自分の顔を多いプールの底で蹲っていた。
急ぎ彼女の元まで泳ぎ梯子にかかる手に触れると、顔を覆っていた手がはずされ目が合った。
俺の姿を確認した彼女は思いのほかすんなり梯子から手を離してくれたので、その手を引き身体を自分のほうへ寄せ腰にてを回し水上へと足を急がせる。
水面に顔を出せば、彼女もやはり苦しくはあったようで、肩で息をするように夜の冷たい空気を吸い込んでいた。
「大丈夫ですかレディ?できれば・・・行動の真意を伺いたいのですが・・・?」
「あぁ、すみません。どうにも身体の熱が納まりそうになかったのでつい飛び込んでしまいました」
そう言って頬を染めたまま困ったように笑う彼女は可愛いけれど、水の滴る髪や肌が妙に艶っぽくて・・・今度は俺のほうの熱が上がりそうだった。
もうちょっと話をしてみたい気もするがこのままではお互い風邪をひいてしまう。
彼女を抱き上げプールから上がりその身体を地に下ろすと、彼女の肌に張り付く薄いシャツ、そしてすける肌色に下着・・・
流石にマズイと思い、飛び込む前に脱ぎ捨てたマントを拾い上げ彼女の身体にかけた。