コナン&まじ快
□増えた秘密の共有者
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「じゃあね服部君」
「おー、ほなまたな」
降車場に着いた俺達は挨拶をかわし、俺と蘭、小五郎のおっちゃんも事務所に帰るべく足を踏み出そうとした。
ただ何故か服部は俺を思案顔で見たまま動くことをしない。
どうかしたのかと俺まで首を傾げてしまうが、まさかこれから連れ出されるなんて思わなかった。
「あー・・・すまんがボウズ借りてもええか?」
「え?でも・・・」
「平次兄ちゃん?」
「もうちょいボウズと話したい事あってな、夕方までにはちゃんと帰したるから」
言うや否や、服部は俺の手を引っ張ってその場から離れた。
突然の事に俺もされるがままになっていたが、蘭達が見えなくなるとようやく手が離される。
ただ、こうやって連れだされてしまった以上、この後は服部に付き合わねばならない訳で・・・
折角栞に会いに行こうと思っていたのに、またもやそれが叶わないと、思わず大きな溜息をついてしまう。
「んで?あんだよ話って」
多少不機嫌口調になってしまうのは仕方がない。
身長差のある服部の顔を仏頂面で見上げれば、なにやらニヤリと笑われた。
「別に何もないで?ただこれから会う言うてた相手に、工藤が会いたいんちゃうか思て引っ張ってきただけや」
「・・・なんで俺がオメーのデート相手に会いたがると思うんだよ・・・意味わかんねぇ」
本当に。
なんで服部がそういう考えに行き着いたのか分からない。
だがそれよりも、そんな訳のわからない理由で連れだされた所為で予定を狂わされたのかと思うと、やたら腹立たしい。
そんな俺をやたら楽しそうに見てくる服部に、イライラは更に募るばかりだ。
思い切り不機嫌オーラを漂わせながら、着いた先は降車場からさほど離れていないビルの入り口。
服部が人を探すようにキョロキョロしはじめた時だ。
後ろからかかる聞き覚えるある声色に振り向けば、これまた見覚えのある予想外の人物が立っていた。