コナン&まじ快

□増えた秘密の共有者
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「そんでその組織を調べるために、好きな女の所に転がり込んどるっちゅう訳か・・・」

「はぁ?なんでそうなんだよ。俺は別に・・・」



シャーロック・ホームズフリークツアー後。

バスに揺られながらひたすら俺に話しかけるのは、今回の事でコナンの正体が工藤新一であると知られてしまった服部平次。

まさかバレてしまうなんて思いもしなかったから初めこそ焦ったが、こんなふうに同じ年の人間とタメ口で会話をするなんて久しぶりの事。

正直、心の隅では厄介だと思いながらも、気兼ねなく話せるのを楽だと感じてしまう。

ただ、今の会話の中でどうして蘭の話題が出るのかと首を傾げる。

その俺の反応が予想通りだったのか、服部はニヤリと笑って爆弾を投下した。



「ほんなら、やっぱあの藤吉っちゅう姉ちゃんの方が本命なんか」

「なっ・・・なんでオメーが栞の事知って・・・」

「図星っちゅう顔やな」

「っ!ほっとけ!」



ってか、ホントに何で服部が栞の事知ってんだ。

栞が大阪にいた・・・なんて今まで聞いたことがないし、服部との接点がつかめない。

なにが何やら分からなくて頭を悩ませていたのだが、窓際に座る服部がやたら楽しそうにしているのに気がついた。

外を眺めながら、なんともワクワクしているといった表情・・・



「ったく、んで?なんかオメーやたら機嫌良いみてーだけど、どうかしたのか?」

「おー、東京着いたらデートやからな。楽しみでしかたないねん」

「デ・・・デートぉ!?」



さらりと言い放たれた言葉は俺が驚くには十分で。

だがまぁ服部だって高校生の男ではあるのだし、彼女がいてもおかしくはない。

思わず突っ込んで聞いてしまったが、"彼女ではないんやけどな、二人で出かけるからそう言うただけや"なんて返ってくるのだから拍子抜けだ。

ただ、この服部がわざわざ"デート"という言い回しをしたことから、恐らくその相手のことを少なからず想っているのだろう事は明らかだが。

推理・事件の事しか頭になさそうなコイツが気になっている相手・・・なんて、思わずどんな人なんだろうかと考えてしまう。

そう服部の事を考えていたはずなのだが、"想い人・・・"その言葉が脳裏によぎった途端、無性に栞に会いたくなった。

此処の所おっちゃんの所に舞い込む事件や、巻き込まれる事件が多くて暫く彼女には会えていない。

今回のこのホームズツアーだって、本当は栞と来たかった。

なのにタイミングが悪い時はとことん咬み合わないもので、栞はロンドンに取材旅行の予定が入ってしまっていて・・・

"そう言えば今日の朝には帰国してるんだっけ、帰ったら会いに行ってみっかな・・・"なんて、気がつけば脳内は栞の事だらけになっていた。
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