コナン&まじ快

□快斗&KID誕生日企画
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明かされた関係とプレゼント


「「栞!!」」

「え?あ、園子・蘭」

「ボクも居るんだけど栞姉ちゃん」

「コナンくん!どしたの皆こんな所で、買い物?」



日曜の午後・町中で突如呼び止められ後ろを振り向けば、仲の良い幼馴染三人の姿。

一人は小学生の姿ではあるが間違いなく私の大切な幼馴染だ。

"ほんと仲がいいなぁ"なんて、にこにこと笑顔を浮かべながら三人を見ていたのだが、なにやらすごい形相で私の横に視線を移す三人に首を傾げる。



「そんな事より誰なのよ!」

「栞紹介してよ!」

「へ・・・?あぁ快斗の事?」



そう視線を横に移せば、私の手の繋がれた先にいるのは黒羽快斗だ。

そういえば新一とは面識あるけど、二人に会わせたことなかったなぁなんてのんびりと考えていた。

今までただ様子をうかがっていた快斗だったが、幼馴染二人の前に片手を掲げ、その拳から咲く2輪の薔薇。

それを突然現れた薔薇に驚く二人へと手渡しながら、自己紹介を始めた。



「俺、黒羽快斗ってんだ宜しくな!鈴木園子ちゃんに毛利蘭ちゃん・・・だろ?」

「え・・・なんで名前・・・」

「ねぇねぇ黒羽君だっけ!栞とどんな関係なの!?」

「・・・快斗兄ちゃんは栞姉ちゃんのクラスメイトだよ、園子姉ちゃん」

「ボウズ、わりぃけどもう唯のクラスメイトでは無いんでね。あ、二人の事は栞からいつも聞いてるからすぐ分かったんだぜ?」



"な、栞"と私に同意を求める快斗がなんだかやたら楽しそうで。

思わずクスクスと笑いながら、それを肯定するようにひとつ頷いた。

ただそれには蘭や園子の方が反応してくるだろうと思っていたのに、まさか新一が突っかかってくるとは・・・



「ちょっと栞姉ちゃんどういう事!?」

「ヘ?ええとだから・・・」

「どういう事も何も決まってんじゃないのガキンチョ!」

「栞も彼氏出来たんなら教えてくれればいいのに!」

「ごめんごめん。でも改めて言うのもなんだか照れくさくって」



事実、なんだかこの空間ですら面映ゆくて、ほんのり頬に集まる熱が顔を赤く染めていた。

なにやら私のその反応がお気に召したのか、快斗が"栞ちゃんてば可愛い!照れてる!!"なんて抱きついてくるもんだからより熱くなる。

いやいやちょっと快斗くん!知り合い見てるから!

離していただけると非常に嬉しい、ってかなんか新一の目線が怖いんですけど!!



「ちょっと快斗兄ちゃん!栞姉ちゃん困ってるよ!」

「いいんだよ照れてるだけだから。ってかボウズはなんでそんなに機嫌悪いんだ?
 大好きな栞姉ちゃん取られて寂しいって顔だな。けどもう栞は俺のだから。悪いなー"名探偵"」

「・・・は?え、ちょ・・・はあぁぁぁ!?」



快斗のその一言でいろいろ悟ったのは新一だけだろうが・・・

快斗がコナンを新一だと知っているのはともかく、今まで新一はキッド=快斗という事実を知らなかったのに・・・

"大丈夫なの?"と問うように目配せをすれば、これまた楽しそうに肯定ととれる頷きが返ってきた。

ただ目の前のコナンは状況を飲み込んだものの、納得・理解するには流石に厳しいようで、今まで見たこともないような複雑かつ驚いた表情。



「ばっ・・・おま、ちょ巫山戯んな!おい栞説明しろ!」

「コナンくん!駄目じゃないなんて言葉遣いしてるの!失礼でしょ!」

「あー、いいのいいの蘭。ちょっとコナンくんにとっていろいろ飲み込み難い事実が突きつけられただけだから・・・」

「え?で、でも・・・」

「栞・・・姉ちゃん。今日泊りに行ってもいい?」

「こらガキンチョ!彼氏と一緒なんだから気ぃ使いなさいってーの!」

「はは、いいよ園子。ならコナンくん、夕飯にあわせておいで今日はご馳走だから」

「何で?何かあるの?」



蘭に指摘されたこともあり、多少引きつりながらも子供らしく首をしげている。

その様子に思わず快斗と目を見合わせクスクスと笑ってしまい、痛いほどの視線を頂いてしまった。



「今日快斗の誕生日なの。家でプチパーティーってとこ」

「・・・やっぱいい、行かない」

「栞、なんか俺相当嫌われてない?」

「ご、ごめんなさい。コナンくん謝りなさい!」

「はは、いいよ。ボウズが栞の事相当好きなの俺知ってっから」

「すみませんほんとに・・・」

「快斗は細かいこと気にしないから大丈夫だよ蘭。それにコナンくんとは家で何度もあってるし。
 さて、私達はそろそろ行くね。またゆっくりお茶しよ!」

「栞、次あったらいろいろ聞いちゃうんだから、覚悟しときなさいよ!」

「分かったよ園子、またね」



手を振りながら別れるも、気になって後ろを振り向けば至極機嫌の悪そうな新一が、ずっと快斗を睨みつけているのが目に入った。

快斗もそれに気づいていたのか、肩を震わせながら笑いをこらえているようで。

その様子に少し呆れながらも、いたずら好きな、そして変なところで子供っぽさを持ち合わせた快斗らしいと、私まで笑ってしまった。

家に戻って豪華な料理を作り食卓を囲んでも、やはりその事が話題に登る。
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