コナン&まじ快
□快斗&KID誕生日企画
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通り雨と艷やかな彼女
「いきなり降ってくるなんて・・・快斗大丈夫?」
「おー、俺は平気だけど栞こそ寒かったりしねぇか?」
「うん、平気。それにしても最近多いねぇ、ゲリラ雷雨」
「まったくだな」
学校帰り。
これから栞の家でお茶でもと誘われ談笑しながら歩いていると、突然暗くなった空に慌てて走りだしたのは2分前の事。
気がついてから空が泣き始めるのは殊の外早く、屋根のある場所へと駆け込む前に雨に打たれてしまう。
思った以上に勢いの強かったのは、雨だけにとどまらず雷まで聞こえている始末で、俺達の全身を見事なまでに水浸してくれた。
ようやく雨をしのげる場所へとついても、もはやあまり意味が無いかも知れない。
ハンカチやハンドタオルでは間に合わないと拭く事すら諦め、額に張り付く前髪を指で掻き分けた。
「どうしようか・・・ここまで濡れたら開き直って雨のシャワーでも楽しむ?」
「栞ちゃん、それぜってー風邪ひくから」
「あはは、それもそうだね」
なんてお茶目なことを言う彼女に俺も笑みを浮かべながら視線をやる。が、目に飛び込んできたソレに一瞬で顔が真紅に染まった。
現在は6月であり、制服も冬服から衣替えされていて、薄手の白シャツに白いセーラーというのが今の俺達の服装なわけで。
薄手とはいってもブラウス等よりは厚手なため透けることはないが、雨に濡れたせいで布は肌に張り付き、身体のラインが浮き彫りになる。
丸みを帯びた肩に胸の膨らみ、そして背中から腰の綺麗な曲線。
それだけでも相当なのに、濡れた黒髪から滴り肌を伝う雫・・・
それを凝視するように硬直していたら、視線に気づいた栞が俺の方を向き目があった。
「・・・快斗?」
「え?あ、何?」
「いや何じゃなくて・・・顔赤いけど本当に大丈夫?」
「大丈夫!大丈夫だから気にしないで!?」
身長差のせいで上目遣いに見上げられる。
濡れ姿だけでもやばいのに上目遣いまで加われば、その破壊力はもう半端無くて・・・
自分の心臓の脈打つ音が五月蝿いくらいだった。
思わず自分の胸元を握りしめ、平静を保とうとしていた時だ。
横から伸ばされたしなやかな長い指が、俺の額に触れた。
「ちょっと快斗熱いよ!もしかして風邪引いてたの!?」
「え・・・いや、違・・・」
「暫くは雨止みそうにないし、濡れちゃうけど私の家行こ!悪化したら大変!お風呂溜めてあげるからさ!」
「いやいやいやちょっと待って、俺大丈夫だから違うからっ!」
「駄目です、早くかえって身体温めないと!いくよ快斗!」
「ちょっと栞ちゃん話聞いてぇぇえ!!」
"問答無用!"と、栞に手を取られ雨の中を駆けた。
身体に降り注ぐ雨は冷たかったけれど、間近に見た濡れ姿、そして繋がれた手の暖かさに。
ドキドキしながらも嬉しくて、顔がにやけるのを止められなかった。
(栞、風呂サンキュー)
(うん。それより今日お母様不在って言ってたよね、客間用意してあるから寝てて?おかゆでも作ってきてあげる)
(・・・栞と一緒にいられんのは嬉しいけど、生殺しだっての!!!)
Special Thanks 名無し様