コナン&まじ快
□ガールズトークと加速する二人の温度
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土曜の午後、学校から帰った私は喫茶店のテラスで読書に勤しんでいた。
中身はお決まりの推理小説で、今日出たばかりの優作さんの最新刊だ。
今日は新一・・・コナンとデートな訳で、早めに家を出て、待ち合わせ場所の此処でお昼ついでに寛いでいる。
待ち合わせ時間まではまだ30分程度あるし、コーヒーの追加でも頼もうかと本から顔を上げた。
オーダーをしようとウェイターを呼ぶべく、店内を見渡した時だ。
丁度店の扉が開き、そこに見つけたのは幼馴染の二人で、向こうもこっちに気づき、お互い片手を上げて挨拶すれば彼女たちの座る席は決まったようなもので。
「蘭、園子これからショッピング?」
「そうなの、夏物の服見に行こうかと思って」
「此処でお昼でも食べてからってね!栞は?こんなとこで何してんのよ!」
そんな会話をしながら二人が腰掛け、私も読みかけの本にブックマーカーをはさみ傍らに置く。
久しぶりに会った・・・という程間隔が開いたわけでもないが、仲の良い幼馴染が目の前にいるのだから、本の続きはあとにしよう。
「私はお昼ついでに読書。カフェで本読むの好きでよく来るんだよね」
「栞何の本読んでるの?」
「何々、ハードな恋愛物とか!?」
「園子のご期待に添えなくて申し訳ないけど、推理小説だよ。優作さんの最新作!」
「・・・そうだった。新一くんの分身みたいなあんたに聞いたあたしが馬鹿だったわ」
「分身て・・・」
「ほんと、栞って女版の新一だよね」
「・・・褒められてる気がしないのはなんでかな」
「「褒めてないもの」」
その言葉に苦笑しながら肩を落とすも、新一と似てると言われ悪い気がするわけもなくて。
例えそれが"推理馬鹿"とか"本の虫"と言う意味合いであっても・・・だ。
園子達がオーダーするのと共に私も何か食べるかと聞かれたけれど、"食事は済ませたからコーヒーだけ"と追加注文を済ませる。
二人が食事を楽しむ横で私もコーヒーを口にしながら、ガールズトークに花が咲いた。