コナン&まじ快
□もう一つの贈り物
2ページ/6ページ
「にしても勿体ねーよなー、ゆるゆるパーマすげー似合ってるのにもう戻しちゃうとか・・・」
「あはは、それは有難う。でも学校あるからねー、仕方ないよ。
戻すの忘れてうっかり登校しちゃったから、思いっきり注意されちゃいましたしね」
「・・・ですが、戻してしまわれる前にこうやってデート出来た訳ですから。私は嬉しいですよ、栞嬢?」
「あら、快斗とデートしてたと思ったのだけど?」
「おや、お邪魔してしまいましたか?」
なんて冗談を交えた会話を楽しみつつ、土曜の街を歩いていた。
数日前に携帯に送ってもらった写メは一瞬何処の女優かと思うほど綺麗で、そのまま待ち受けの壁紙になった。
その時に俺がつい"次にデートするときは是非フルメイクで!"なんてお願いをしたものだから、髪をストレートに戻す前に急遽デートとなった訳だ。
いきなり決まったとは言え、どのみち用もなかったから嬉しいのは当然で。更に化粧まで施して、ドレスとまではさすがに無理だが、キッドと合う時のような大人っぽい出で立ち・・・
正直舞い上がりすぎてやばいのだが、表に出して引かれても嫌だからなんとか平常心を装ってた。
そんなこんなでデートを満喫しつつ、そろそろ何処かで昼食でもと店をチョイスしてた時だ。
後ろからかかる声に振り向き、視線を少々下にやる。
「栞姉ちゃん!」
「え?あ・・・コナンくん!」
「よおボウズ」
栞の手を背後から引き呼び止めたのは、ちょっと前に知り合った誂い甲斐のある小学生。
てかコイツあれだよな。工藤新一に頼まれて・・・なんて言ってたけど、絶対ボウズも栞好きだろ。
俺に向けてくる視線や態度が間違いなく"嫉妬"のそれだ・・・
「どこ行くの栞姉ちゃ・・・って、何でそんなめかし込んでだオメ・・・黒っ、か、快斗兄ちゃんと何してたの?」
いやいや、同様しすぎだろ。
俺とデートってのがそんなにご不満ですか。にしてもこのボウズ・・・
こないだほかの小学生と一緒にお茶した時にも思ったが、何故か話し方に違和感を覚える。
感情が高ぶった時に少しだけ聞いた話し方、小学生らしい子供っぽい喋り方、そして最初栞の家で出会った時・・・
帰り間際に二人だけで話した時の喋り方・・・どれが本当のコイツなのかわからない。
なぜそんなに話し方を使い分けているのかは知らないが、栞は慣れているのか普通に応対している。
「この前フルメイクでデートするって約束したからね。髪を戻す前にってショッピングデートしてたとこなの。
コナンくんはどうしたの?お買い物とか?」
「ううん、ただブラブラしてただけだよ。そしたら栞姉ちゃん見つけたから!」
「そっか、わざわざ声かけてくれて嬉しいな!そうだ、コナンくんお昼はもうすんだ?
今から何処かでご飯でもって思ってるんだけど、コナンくんも一緒にどうかな?」
「いいの?行く、行きたい!」
「快斗、一緒にいいかな?」
「おー、別にいいぜ?ボウズ何か食いたいもんあっかー?」
「・・・・ヘ?」
まさか宣戦布告をした俺にそんな事言われるとは思わなかったのか、きょとんと不思議そうな目で見られた。
流石に小学生に敵意剥き出しにするほど俺子供っぽくないからな?
こういう場面では、最年少の食いたいもの聞いてやるのが当然ってもんだ。
大体、敵は工藤新一であってボウズじゃないしな。