コナン&まじ快
□追い詰められた名探偵
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"・・・で、あの小娘はどうするのさ。大体・・・本当にあれがあの"説推 小理"だってのかい?あたしゃ信じられないね"
"あの家の中にあったものを見る限りではな・・・もしそうだとすれば殺すわけにはいかん"
"あの小娘の所に工藤新一が逃げ込んでくるんじゃないかと思っての事だったけど・・・本当にそうなら思わぬ収穫だねぇ"
耳に届いた会話・・・俺はゆっくりと浮上する意識の中でそれを聞いていた。
直前までの状況から考えて、"あの小娘"というのは栞の事だろう。
「・・・栞も・・・捕まってんのか、クソッ・・・俺の所為で・・・っ!!」
先日起きたカラオケボックスでの殺人事件・・・
あの件で俺が"工藤新一"の名前を使った所為だ・・・っ!
恐らく逃げた俺を匿っていないか家捜しをされたのだろう・・・階下の部屋を見れば栞が説推 小理である事はすぐに露見する。
それのお陰ですぐに殺されなかった分には幸いしたが、問題はこれからだ・・・
"8歳であれを書く事のできる出来る知能があったのなら、あのワクチンデータはあの娘が隠し持っている可能性もある"
"確かにあの改変ウィルスとそのワクチンデータは組織に欲しいからね・・・"
"で、女はちゃんと例の場所に閉じ込めてあるんだろうな"
"勿論、今頃データの在り処を吐かせる為に嬲られてるだろうさ"
眩暈がした・・・
殺されていなくて良かったなんて甘い事を考えた自分に腹が立つ。
兎に角一刻も早くここから逃げ出し栞を助けに行きたい・・・けれどその栞の居場所が分からない。
おそらくこことは完全に別の場所なのだろう。
こんな木造のボロ屋でそんな真似をすれば、何かしら声が聞こえるはずだ。
奴らの話に耳を傾けながら現状を把握するべく辺りを見渡す。
どうやら気絶している間に、何処かの家の2階に運ばれたようだ。
それ以上の事は今は分からないが、奴らの話している内容から俺がまだ殺されてないのは"薬の副作用の特例として調べる為"だという。
意識のない振りをし続け、会話の内容を聞き漏らさないよう意識を集中する。
翌日の取引の事、そしてその取引後栞の幽閉場所へと向かう事・・・
何とか奴らを出し抜き、逃げたように見せかけて室内に残された痕跡から取引場所を割り出した。
兎に角その取引場所まで行き、その後の行き先を突き止めてやると意気込んでそのボロ屋を後にする。
(栞は何があっても・・・ぜってー助けてやる・・・っ!)
そう硬く心に決めそこに向かったはず・・・
だったのに・・・っ!