コナン&まじ快

□西の探偵と尋ね人
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「栞、早かったね!」

「蘭お待たせ、まぁ近いからね。で、彼がそう?」

「うん、服部君って言うの。案内宜しくね」

「分かった、初めまして服部君。ご紹介に預かりました、私が「アンタが工藤の女の栞っちゅー女か」・・・・は?」



私はとりあえず自己紹介をしようと、その彼に声をかけた。

けれど予想外にも私の台詞はその彼によって遮られた・・・のはまだ良いのだけど・・・

今なんと仰いました?誰が?誰の女・・・?

この彼・・・服部君だったか、服部君に私の事を紹介したのは蘭・・・だよね?



「えーと、蘭?彼にどんな説明を?」

「やだ私じゃないわよ!園子よ園子!昨日服部君が新一尋ねてきたんだけど、今所在不明でしょ?
 園子に色々私達の事も聞いたみたいで、多分そのときに園子が・・・」

「あぁ、栞っちゅう女んとこに十中八九居座ってるゆうてな。
 親公認で嫁みたいなもんやて聞いたんやけど?」



いやいや、どんな説明してるの園子さん

私は別にそんな誤解されても気にはしないが、新一が可愛そうでしょうに・・・

たしかに工藤夫妻とは仲良くされてもらってはいるが、それでそんな誤解を招いてしまうのであれば申し訳ない。

万一、新一の思い人に誤解されでもしたらどうするのか。

とりあえず否定しておかないとな、うん。



「私はただの幼馴染だよ?工藤夫妻とは確かに親身にさせてもらってるけど・・・」

「さよか、ほんならまぁ案内宜しく頼むわ」

「ん、了解です。早速行こうか」



とりあえず服部君には握手で、蘭には行って来ると片手を上げて簡単に挨拶を済まし探偵事務所を後にした。

知っている道場をいくつか回る予定を頭の中に作り道成りに歩く。

私としてはこの服部君を"新一を訪ねてきた大阪の人"としか聞いていなかった為、共通点と言えば剣道しかない。

お陰で道中の会話は初めこそその事だったが、思いがけずも話題は広がっていった。



「服部君は剣道長いの?」

「おー、物心ついた時にはもう竹刀握っとったわ。アンタはなんで剣道始めたんや?」

「私?私の動機なんて単純なものだよ。大好きなシャーロック・ホームズがフェンシングに長けてたから、私も剣術やってみたいなーって。で、折角なら日本人だし剣道って訳」



そう、寝たきりだったあの頃からずっとやってみたかった剣術。

それが叶ったものだから楽しくて仕方なくて、もう道場に通ってはいないが、今だって竹刀は振っている。

本当はしっかり道場にも通ってやっていたかったが、学校と作家活動。

更に剣術まではなかなか時間が取れなくて、作家活動を始めた当時に道場通いは辞めてしまった。



「ほー、推理もん読むんか。コナン・ドイル以外も読んだりするんか?」

「勿論。昔の作家なら大抵読んでるし、最近の作家さんならやっぱり工藤優作さんが大好きなの!」

「俺は昔の作家でゆうたらエラリィ・クイーンやな!最近やと・・・せや!"説推 小理"なんかええと思うで?」



私から推理作家の話が出てきたのが意外だったのか、服部君は驚いた表情をみせ話に食いついてきた。

どうにも私は推理物の話題になるとテンションが上がってしまう。

おかげで問われた事に思わず喜々として返してしまった訳だが、幸い服部君も推理物は好きだったようで安心した。

ただまさかそこで自分の作家名が出てくるなんて思わなかったから、賞賛された事も手伝って僅かばかり顔が熱くなる。
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