コナン&まじ快
□気障な怪盗と名探偵
2ページ/6ページ
(まさか栞がいるとはなー・・・っつーかなんでこのボウズ・・・)
予告道理にその場所へ向かえば予期せぬ客人・・・
考えてみれば栞と鈴木財閥の令嬢は知人だったはず。そこから予告状を見る機会がありこの場所を突き止めたのだろう。
予告状の暗号を解いたのは栞だと思ったが、栞はボウズの付き添いだと言っていた。
"探偵だ"と名乗ったこいつは意図的な笑みを浮かべている・・・
まさかこのボウズがあれを解いたってのか?
ボウズの上げた花火でヘリコプターが様子を見に徐々に近づいてくるのが見える。
さてさて、それならそれを利用させて頂きましょうかね・・・
懐から無線機を取り出し電波を合わせる。
一つ咳払いをして声のトーンを調整・・・
『あー、こちら茶木だが!杯土シティホテル屋上に怪盗キッド発見!!』
人が集まるのを逆手にとるため、声色を使い警察の手のものを次々とこの場所へ集める。
ボウズはまさか、俺がこんな行動をとるだろうとは思いもしなかったようで驚いた顔をして見せた。
中森警部らが屋上に着いたのを見計らい、グライダーで逃走すると思わせるために翼を広げる。
けどその前に・・・
折角ここまで出向いてくれた探偵ボウズに一言・・・残してやるとしますかね。
なるべく気付かれないよう、袖口から落とす一つの弾・・・
それが地につき光を発するその瞬間・・・
「よぉボウズ・・・知ってるか?怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが・・・
探偵はその跡をみて難癖つけるただの批評家に過ぎねーんだぜ?」
「なに!?」
閃光弾の光が消えるまでのその一瞬、警官へと扮した俺は煙幕を投げてその場を後にする為足を急かせた。
屋上のドアを潜り抜けようと視線をやれば、流石は栞・・・
おそらく俺の正体が分かっているのであろう、にっこりと微笑みこちらを見ていた。
その栞の身体を抱きこむようにして扉を潜り、壁に隠れ話を切り出す。
「栞嬢・・・後でお邪魔しても?」
「私は構わないけれど、今日はあの子うちに泊まるの。それでもよければどうぞ?」
栞も俺がそう言うのを予想していたのだろう。
一人困惑気味の俺に対して、至極楽しそうにしていた・・・
あのボウズの事を聞きたくはあるのだが、泊まっているとなると顔をあわせてしまう可能性がある。
仕方なく別の日に予定を付けることにして、今日はこのまま退散するしかないだろう。
「・・・では、明日・・・改めてお伺いいたします」
「ふふ、わかったわ。ほら早く行かないと見つかってしまうわよ?」
「心配頂き光栄ですよ、それでは・・・」
もうちょっと話していたくはあるがそうもいかない。
後ろ髪引かれる思いで栞の頬にキスを落とす・・・
栞もそれに返してくれた事に満足するとして、他の警官達が戻ってこないうちにと階段を駆け下りた。