コナン&まじ快
□恋敵と鉢合わせ
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「すげーな・・・栞ちゃんてばお嬢様だったんだ?」
「は!?ちょっとやめてよ快斗、そんな大袈裟なものじゃないしお嬢様って柄じゃないよ!」
いやいや、それにしたって相当だろう。
考えてみれば彼女の持ち物はかなり洒落たものが多い。
夜にキッドとして見た事のある普段着も、高校生が普通着るようなものではない。
親の残したお金は確かにあるのだろうが、それは減る一方で学生な彼女に収入源はないはずだ。
あったとしてもそんじょそこらのバイトなんかで賄える金額ではないだろう・・・
考え無しに浪費するタイプにも見えないし、おそらくここにも彼女の"もう一つの顔"が関係しているのだろうか。
「快斗荷物ありがとね、助かっちゃった!」
「こんくらい全然かまわねーよ。何なら荷物持ちくらいいつでもするぜー」
「快斗はいい男だねー!」
「あれー、今頃気付いた?」
「あはは!今お茶入れるから座ってて?」
「サンキュ!」
冗談交じりの会話に終始浮かぶ笑顔、俺も心底楽しかった。
栞は買ってきたものを一旦片付け、シュンシュンというヤカンから上がる蒸気の音が耳に心地よく響く。
見慣れたティーセットに添えられたスイーツスタンドには、栞お手製のマドレーヌ。
それを美味しくいただきながら談笑していると突如、家電話のコール音が鳴った。
リビングテーブルのすぐ真横においてある電話の受話器をとれば、栞の声と共に受話器からの声も聞こえてしまって、会話は筒抜けだった。
「はい、お待たせしました藤吉です」
"栞、私!"
「あ、蘭?どうしたの?」
"ごめん、急で悪いんだけどコナン君預かってくれないかな?"
「それは全然構わないって言うかむしろ歓迎するけど、何かあったの?」
"今日園子のとこに泊まりに行く約束してたんだけど、お父さんまで出かけちゃっていないのよ。
コナン君一人で家に置いておく訳にいかないし、一緒に連れてこうかとも思ったんだけど・・・
コナン君が『それなら僕栞姉ちゃんとこ行きたい!』って言うから・・・"
「あぁなるほどね、分かったいいよ!この時間ならすぐに蘭も家でたいでしょ?5分で迎えに行くから泊まり準備だけさせておいて?」
"分かった、ホント急にごめんね?"
「全然!コナン君ならいつでも歓迎だから!」
"栞ってほんとコナン君と仲いいわよね、じゃあ待ってるね!"
「うん、じゃあ後で!」
どうやら一人誰かがここに来るようだ、しかも泊まりで・・・
君付けって事は男だよな!?けど預かるって・・・年下なのか?目を離せないような年の子?
電話を切った栞が俺の方へと向き直る。