コナン&まじ快

□幼き姿と彼女の5年
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「ええ!?優作さん酷いじゃないですか!
 で・・・出来ればもう一日早く・・・教えて欲しかったです・・・」

"いやぁすまないね・・・つい失念していて・・・どうだい?やはり厳しいかな・・・"



新一と蘭と共に、トロピカルランド行きを約束していた当日・・・

目覚まし代わりに鳴った携帯を取ると、聞こえてきたのは大好きな優作さんの声だった。

久しぶりに聞いた声に嬉しくなったが、それが一気に下降したのは言うまでもない。



"今回は私に非がある、一日くらい融通してくれるように私からも頼んでみるが・・・"

「いえ、大丈夫です。仕事ですししっかりやらせていただきますよ優作さん。
 夕方までにはFAX入れますので安心してくださいな」

"はっはっ、栞君らしいな。編集から逃げ回っている私としては耳が痛いよ"



優作さんからの電話はとどのつまり、映画用原稿の一部更正だった。

一から作るわけではない上、かなり限られた一部分のみの更正であったため、一日あれば何とかなるだろう。

ただし"集中して作業をすれば"だ。

つまり本日のお出かけ予定はキャンセルせねばならない。

優作さんとの電話を切った後、新一へと電話を入れれば案の定、不機嫌な怒鳴り声が耳を貫いた。



"はぁ!?お前急ぎの原稿なんかねぇつってたじゃねぇかよ!"

「ほんとごめん・・・でも急だったのよ。今度絶対埋め合わせするから、今日は蘭と楽しんできて?」

"ったく、しゃーねーなぁ・・・なら今度俺の買い物付き合えよ?"

「うん!荷物持ちでも何でもするから!」

"・・・誰もそんな理由で誘ってねーよ・・・はぁ、もういい・・・
 んで?蘭にはなんて言やいーんだよ、仕事だなんて言えねーだろ"



それもそうだ。

蘭は私の"説推 小理"としての事を知らないわけで、今日のキャンセルの理由も言えるわけがない。

かと言って優しい蘭の事だ、仮病なんて使ってしまってはいらぬ心配をかけてしまう。

嘘を吐いてしまうのは申し訳ないが、この際仕方がない・・・



「んー・・・じゃあ、向こうの知り合いが急に来る事になったって伝えてくれる?
 今度改めて私からも優勝のお祝いするからって」

"わーった・・・んじゃ行ってくっからオメーはさっさと終わらしちまえよ?
 また帰りにはそっち寄っけど、多分俺の夕飯はいらねーから"

「うん、分かった。楽しんできてね!」

"おー、んじゃーな"



残念だが仕方がない・・・二人には今度ちゃんとお詫びをしなければ。

通話を切り、早速原稿を仕上げるべくまずはコーヒーを入れにキッチンへ。

香ばしい香りを漂わせるマグカップとチョコレートの入ったスイーツポットをトレーへと乗せ、階下への扉を開けた。
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