鋼の錬金術師長編夢

□切欠
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余程心配していたのだろう、アルフォンスはカノンの姿を見た途端駆け寄ってきてその手をとる。

カノンもそんなアルフォンスの様子に、謝罪の意を込めるようにその鎧の身体をしっかりと抱きしめた。



「姉貴・・・珍しいじゃんそういう服・・・」

「あれ、ほんとだ・・・」



そんな二人の様子を眺めていたエドワードは、いつもと違うカノンの服装に目が留まり指摘すると、アルフォンスもまたそれを確認するかのようにカノンから身体を離し、その姿を凝視した。

するとカノンは途端に顔を染め、しどろもどろになりつつ呟いた。



『い・・・いや、その・・・少し寒くてな!ほら、それより話を進めよう。大事な話・・・だろ?』



誤魔化すようにしながらも、そう声色を重くして言えば室内に篭る雰囲気にカノンは溜息を洩らした。



『さて取りあえずだ、研究所の話が先か?それとも私の方を先に話したほうがいいか?』

「・・・・姉貴の話・・・聞きたい・・・」

「うん・・・ボクも・・・」

『分かった・・・』



カノンはベッドにエドワードと並ぶようにして腰掛け、足を組む。

そんな様子を目で追いながらも、これから話されるであろう自分達の下へとこの姉を落とした原因・・・

一体なにがあったのかと、今まで聞いたことがなかったその事に二人は頭を巡らせていた。



『さて・・・アレックス、マース。これから話すことは全て本当のことだ。
話をする前にお前達にも言っておかなければならん事があるが突拍子もない話だ・・・しかし現実だ、信じて欲しい。』

「おいおい、なんだよ改まって・・・」

「我輩は・・・貴方がこのような場で嘘を申すような方ではないと存じております。
仰られる事・・・全て真実として受け止めましょう・・・」

『有り難うアレックス・・・』

「それには俺も同意だ、話してくれ・・・」




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