アルファルド
□4話目
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―4、副会長に相談―
漆が転入してきて早数日。
漆は着実にクラスに馴染んでいった。また、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群…そんな漆に憧れる人も数多くいる。
哉「蘭姫ってほんと人気あるよな…」
羊「何哉太…蘭姫のこと好きになったの?」
哉「ば!!何言ってんだよ!」
月「哉太、初めて挨拶したときも顔真っ赤だったもんね!」
哉「月子まで〜〜///」
錫「ハハ…」
錫也は、楽しそうに漆の話をしている幼馴染たちを見て、半分嬉しそうに、半分寂しそうに、笑った。
月「…錫也?」
月子が錫也の方に振り向いた瞬間…
コロコロ
錫也の消しゴムが転がって、漆の足に当たった。
錫「あ…」
「?………、…はい」
錫「あ、ありがとう」
「じゃあ」
月「……」
頑張ると言った錫也だったが、やはりなかなか勇気が出ず、いまだに漆とはギクジャクしていた。
錫「(気を遣うもんかって思っても……)俺、不器用だからな…」
月「……錫也…」
***
放課後、月子は生徒会の仕事があるため、生徒会室で仕事をしていた。
颯「月子さん、そっちは終わりそうですか?
月「え、あ…うん!もうすぐ!!颯斗君は?」
颯「はい、僕も終わりそうです。…全く、会長にも困ったものですね」
月「ふふ、そうだね………」
颯「……」
なんだか元気がない月子。それに気づいた颯斗は、一体どうしたのか聞いた。
月「あ………実は錫也がね…蘭姫さんと仲、良くないみたいで…」
颯「蘭姫さん…あぁ、この前転入してきた人ですね?」
月子はここ最近の錫也と漆について、颯斗に相談した。
錫也が漆とあまり話さないことや、漆も漆で、錫也を避けている感じがすることなど、月子が感じた全てを颯斗に話した。
すると颯斗は…
颯「思い切って東月君と蘭姫さんが話せる環境を作ってあげたらどうですか?」
笑顔で、そう言った。月子はそれを聞くと、そっかぁ、と言いながら颯斗を見た。
月「そうだね、もしかしたら誤解してるだけなのかも…ありがとう颯斗君!」
こうして月子は、颯斗の協力のおかげで、錫也と漆の仲を良くするために、色々考えながら、動くのだった。
(そういえば颯斗君って蘭姫さん知ってるの?)
(ええ。転校してきたその日に話しました)
(そうだったんだ!)
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