・お題 

□涙が乾く前に
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ぼーっといつものように

廊下を歩く


隣で話してる

友達の会話がぼんやりと入ってくる




実「そういえば與先輩

他校の彼女できたらしーよ!」


千「えー!どんな人?!」


実「めっちゃ美人らしい!」


『え、嘘』


実「ホント、背が小さくて

目とかもくるって感じ!」


千「まぁ、與先輩も

カッコいいからねぇー」




ああ、泣くな、私。

誰にも打ち開けてなくて正解


必死に涙を堪える

そうしてたら

いきなり背中が重くなって。




「なーに話してんの」

実「西島には関係ないよーだ」

千「ガールズトークでーす」


「ふーん。いいもん

◎貸してもらうから」


『え、ちょっ』





ぐいぐいと引っ張られて

誰もいない踊り場に連れてかれる




「はい、泣きなさい」

『え?』


「いいから、すっきりするから」



無言で強く抱きしめられる

その強さが全てを知ってるようで。



『なんで、気づいたの』

「◎の苦しい顔なんて

すぐ分かるって」



『よく見てる、変態』

「その変態が今お前救ってるんだよ」



受け止められてるって思った

一瞬だけ與先輩の事忘れられた



「、俺じゃ、ダメだよなぁ」

『え、何?』


「は?聞こえなかった?」


『声小さすぎ、もう一回』


「(言える訳ないだろ、バカ)」









涙が乾く前に



>

(好きだと君に伝えたい)




END









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