・お題 

□狼さんわたしを食べて
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滅多に行かない図書室に行ってみた。


彼が図書委員を先生に

押しつけられたから、という

話を聞いて。



「あ、来たん?」

『ちゃんとやってるのかなぁって』



「やってるも何も

人が居ないから

やる事がないん」



と言いつつも

掲示用に貼るポスターを書いていた



『相変わらずな絵だね』

「今月は赤ずきんちゃんと

狼書かなあかんらしい」



『何それ、犬?』

「は、狼やし」



『書いてあげる』



一応自分の思う通りの狼を書いてみる


それを面白くなさそうに見てきて

私を後ろから抱きしめたり


髪をいじってきたり。




「なぁ、もう終わった?」

『うーん』


「もうええやん明日で、帰ろ?」

『うーん』



「・・・なぁ、キスしてええ?」

『うーん、え?』



振り向いた瞬間

落ちてくるキスの雨。



少しずつ熱くなってくる体温



「ん、単純やなぁ」

『分かってるよ自分でも』



「赤ずきんの本当の話し知ってる?」

『何?』


「本当は恋人同士やったん」

『ふは、何それ』



「でもおばあちゃんが病気になったから

なかなか会えへんくって

それで久しぶりに再会して

赤ずきんを食べたくなったんよ?」


『・・・で?』



「俺も今一緒の気持ちやなって」

『え、ちょ、待って、んっ/』







狼さんわたしを食べて




(久しぶりの愛を感じさせて)




END








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