・お題
□そうやって期待させて、酷いひと
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「俺、好きな人居るんだよね」
実彩子が委員会で
少し待っててという事だったので
教室で、ぼんやりとしていた時に
西島がやってきて。
さっきまで他愛のない話をしていたのに
急に真剣な顔つきになって
こんな事を言い始めた。
『、へぇ』
別に初めから興味はなかった。
ただの仲が良い男友達ぐらい
「誰か知りたい?」
『別に、
西島の事興味ない』
「他の男に興味があるって事?」
『、そうだね』
「ふぅん、俺よりいい男?」
『、・・・うん』
「だったら、」
ガタっと席を立ち
私の唇の前で優しく微笑んだ
「その男より、◎を
本気にさせる自信あるけどね?」
一瞬、心臓飛び跳ねた。
『近い、』
「あれ?俺に興味なんて物
ないんじゃなかったの?」
『ない、よ』
「嘘ついてんの?」
もっと顔を近づけてきた
そうすると
ふふっと満足そうに笑って
「好きなら好きって言って?」
耳元で囁いてきた
そうやって期待させて、酷いひと
(私に期待させてる間に
好きな人に気持ち伝えに行けばいいのに。)
(これだけやっておいて、
まだ気がつかねぇの?)
END