PEACE

□雨の日
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梅雨の季節は
どんなに晴れていても傘を持ち歩くべきだ



でないと
私みたいになる





「降水確率10%だったのに…」




雲行きが怪しくなってきたなって思ったら
突然のゲリラ豪雨



急いで雨宿りしたけど
頭のてっぺんから爪の先まで
もうビショビショ




「最悪だなぁ…」




これだけビショ濡れなら
もういっそ走って帰ろうかな



これ以上
濡れようがないし





よしっ
気合いを入れて…




「いざっ!」

「あ、みるくちゃん!」




あれ、猿飛くん?
どうしてここに??




「傘持ってきたけど、手遅れだったね…
これ使って」



猿飛くんが渡してくれたハンドタオルが
みるみる水分を吸収していく




「ありがとう、猿飛くん」



「雨が降る前に
傘、届けられば良かったんだけどね」




そのタオルじゃ間に合わないみたいって
ちょっと落ち込んだ猿飛くん



わざわざ来てくれたんだ




「私なら大丈夫だよ
傘もタオルもありがとう」





帰ろうと
傘をさしてひさしから出た



…んだけども
またひさしに引き込まれた




「猿飛くん、帰らないの?」



私の手を掴んだまま
猿飛くんが凝視してくる




私、どっか変なの?
とか思ってたら




「…クシュンッ」





目の前でくしゃみしちゃった…
恥ずかしい…




「みるくちゃん」



「ん?」



「そのままじゃ
風邪引いちゃうよね」




…うん
鳥肌が立つくらい寒くなってきた



早く着替えないと





「イエローマンおいでよ
ここからだと基地より近いから」



「え?」





イエローマンに?



私こんなにビショ濡れだよ?





「い、いいよ
お店汚しちゃうよ」



「大丈夫だよ
タオルと着替えもあるし
てゆーか強制だから」



「わっ」




ちょっとだけ乱暴に
傘に入れられてしまった



しかも2人で1つの傘



距離が近くて
なんだかドキドキするな




「もっとこっちおいでよ
雨、かかっちゃうでしょ」




…肩、抱き寄せられちゃった




猿飛くん暖かくて
寒いのがマシになったんだけど




だめだめっ
心臓が弾けそうっ





「さ、猿飛くんっ
服濡れちゃうからっ」





って言っても
体を離してくれない





早く店について…








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