こちら桐皇学園バスケ部!

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「いやああああああああ!」




なまえの叫び声が、合宿所に響き渡った。
何事かと今吉を始め諏佐、若松、桜井、桃井は声がする方へと向かった。


みんながたどり着いた場所。
そこは、入浴所だった。



「よし。開けるで」

「おい、待て今吉。
当たり前に開けようとしてるが、今は確かマネージャーの入浴時間のはずだろう」



ここの合宿所にはお風呂が一つしかないため、時間を決めて入浴することになっている。
そして、今はマネージャーの入浴時間なのだ。



「せやけど、諏佐も聞いたやろ?
なまえの叫び声」

「だが…」

「もうええ!開けるでなまえ!」


ガラリ。
脱衣所へと続く扉を開くとそこには顔を真っ赤にしながら、バスタオルに包まり身体を隠すなまえの姿と…



「あ、青峰…?」



上半身裸の青峰の姿があった。
遅れてやってきた桃井は、「きゃあっ」なんて言いながら両手で顔を覆った。



「さつきぃっ!」



なまえは桃井の姿を見つけると、走り出し飛びついた。
桃井もそれをしっかりと受け止めた。



「…青峰くん最低っ!
どうせなまえの入浴中を覗こうとしたんでしょ!」

「青峰…自分、なまえのハダカ見たんか?
見たんやろ?正直に言い。
地獄に突き落としたる」

「青峰さん、それは人としてどうかと…」

「お前だけいい思いしやがって…!」

「若松、主旨がずれてるぞ」



みんな思い思いの発言をする。
青峰はそれを聞き、全力で否定する。



「覗くつもりはなかったんだよ!
そもそもなまえが風呂入ってること知らねかったんだし!」

「でも結局覗いたんでしょ!
なまえのハダカ見れてラッキーなんて思ったんでしょ!?」

「ちょ、さつき、何言ってんの!」

「…そりゃちょっとは」

「思ったの!?
たかがあたしのハダカで!?」

「何言ってるの!
なまえのハダカは宝石よりも価値があるんだから!」

「恥ずかしいからそんなわけわかんないこと言わないでっ!
ていうか、服着たいんだけど…」



なまえのその言葉に、桃井はハッと我にかえった。



「とりあえずみんな出ていってください!ホラ、青峰くんも!」



桃井はみんなの背中を押し、脱衣所から追い出した。
話し合いは、なまえが服を着た後にミーティングルームで行われることになった。








「で、どうなんや青峰。わざとか?
わざとなまえを覗きに行ったんか?」

「…まさかなまえが、」

「この時間帯はマネージャーの入浴時間やて言うたよな?」

「…すんません」



青峰の話を簡潔にまとめると…。


青峰一人で自主練
(たぶん、この時点で事件は始まってしまっていた)



ふー疲れた汗かいた



風呂に入ろう



今マネージャーの入浴時間だけど
流石にもういないわな
(マネジの入浴時間終了5分前)



よし、入ろう!



「…というわけです」

「やっぱ知ってたんやん。
マネージャーの入浴時間て
ちゅうか、桃井は?」

「あ、あたしは暑くなったんで先にあがりました」

「そうなんや。
とりあえず青峰、ちょっくら外周にでも「翔一くん!」



突然のなまえの大きな声に、みんなが固まった。それに構うことなくなまえは続ける。



「あたし全然気にしてないから!
だから、翔一くん落ち着いて!」

「気にしてないて…それ、女子高生としてどうなん?」

「だって、3秒以上見られてないもん!だからセーフなのっ」

「何故そこで3秒ルールなん!?」

「いいの!この話しはもうお終い!」



なまえは顔を赤くして部屋から出ていった。

後日なまえは桃井に「見られたことよりも青峰くんに対する尋問の方が恥ずかしかった」と言っていたらしい。







1日目無事(?)終了!






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