*宝物*

□月夜のrequiem
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「マフィア狩りだって?」

 綱吉の言葉に、獄寺が「はい」と頷く。手に持っていた書類を綱吉の机 に置く。

「イタリア政府がマフィアの一掃に乗り出しました」

「今まで黙認してきたのに、今更?」

「ナポリのカモッラが、麻薬取引で他国政府とトラブルを起こしたようです」

 綱吉は舌打ちをして眉をひそめた。イタリア政府はマフィアの活動を暗黙のうちに認めていたが、他国に被害を手を出せば、黙っていられないのは考えずともわかる。

「余計なことをしてくれたね、どうしようか」

 綱吉は顎に手をあてて、少し考えるそぶりを見せた。
 そして、何か思い付いたのだろう。「……決めた」と小声で言ってから顔をあげた。

「隼人、これからの政府の行動は?」

「はい。ハルの調査によれば、明日からイタリア各地のマフィアの本拠地に軍隊を派遣するとのことです」

 ハルの部隊は第七部隊。救護や諜報を主としたボンゴレの生命線を担う。
 また、ハルも綱吉と同じくリボーンに師事していたので、変装術を扱えたりもする。

「じゃあ、今夜6時にヴァリアー及び第一から第六部隊を屋敷に招集して」

「了解しました」

 獄寺は懐から携帯を取り出し、連絡を取る。
 守護者やヴァリアーの中には連絡がなかなか取れない者がいるので、一苦労だ。

「……何をなさるつもりですか?」

 まるで全面紛争のようだ。しかも、全部隊を招集するなどとは。

「んー?決まってるじゃん」

 綱吉は窓を大きく開け放し、外の空気を思い切り吸い込んだ。

「政府を潰すのさ」


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