短編

□たくさんの最期
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  死後
我は、死後の職業を選ばせる。
死後の職業は、四種類。
死後の世界の住人―新しく死んだ人を迎える仕事。
扉を開ける、死神―死後の世界へ案内をする仕事。
人々に嫌われる死―死ぬべき人を殺しに行く仕事。
人々に喜ばれる生―生まれる命を授けに行く仕事。

人は死んだあとまず、住人か死神かが選べる。
現役の死か生の推薦がある場合はその職業に就ける。
そして、十年間続けると、十人と死神は、そのままか死か生に。
死は生に、生は死に、なることができる。

人間が思っている天国や地獄などという概念は、ない。

ただ、ずっと働き続けるだけである。

それを、百回続け、千年経つと、

やがて我のような存在になるか、消えるかを選べる。我のように愚かな者以外は、皆、消えていく。

汝も来る気はないか?
・・・ただし、

是(イエス)ならば今すぐ汝は死ぬ。

否(ノウ)ならば汝は理不尽な世界にずっとずっと生き続ける。

さて、どちらが良いか?
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