ShortDream
□前屈
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「む、くろ・・・、無理、だよ・・・ッッ!」
ハア、ハアと口から息が漏れる。
ギシリ、という床の音が響いた
「まだ大丈夫ですよ。ほら・・・」
私の上に覆いかぶさる彼が、耳元で小さく囁く
「ン・・・、痛ッッ! ゃ・・・め、」
グッと、骸が私に力を掛ける度に、体のどこかが悲鳴を上げる
「クフフ・・・可愛いですね」
ギシリ、ともう一度床が撓ったとき、私は限界に来ていた。
「・・・・・・・・、痛いって!ギブ!無理!ギブギブギブギブゥッッッ!!!!」
ゴンッ・・・
「ガッ・・・、な、何をするんですか。まさか頭で顎を殴られるとは思いませんでしたよ」
骸が顎を押さえながら立ち上がった私に言う。
「だって、無理って言ったのに骸が押すから!」
「おやおや、僕のせいですか。でもまさか、貴女がこんなに体が堅いとは思いませんでしたよ」
むう、と心の中で呻きながらニヤニヤと笑っている骸を見る。馬鹿にしているのか・・・?
「失礼な!だ、だって、明日体力テストがあるなんて知らなかったんだから、仕方ないよ!」
体力テスト。
私が敵、と認識したもの。
屈折
(せっかく手伝ってあげているんですから、もう少し頑張ってください・・・、ハア・・・)
(う・・・、うるさいなぁっ)