【キャラ化:第4段!】








【恋愛沙汰なら余所でやれ!】



それはそれは、爽やかな朝だった。

小鳥達はそんな朝を祝福するかのように囀り、差し込む光はカーテン越しに暖かくオレの体を包み込む。布団から這い出して耳を澄ませると「朝ご飯よ」と優しくオレを呼ぶ声が…声が……






「謝るぐらいなら最初からするなぁああああ!」

「うわぁあんごめんなさぁああい!!」


する筈もなかった。そもそもオレは一人暮らしな上、年齢=彼女いない歴という寂しい生活真っ只中だ。つまり朝食なんてものは自分で用意しなくてはいけないのだ。さて、こうしてオレの話をしていても仕方ないので、オレのご近所さん事情でも聞かせよう。頼む聞いてください。






■:203号室
馨(かおる):かおるさん


「お前は、言ってることとやってることが滅茶苦茶すぎる。好きなら好きでいいだろう。いちいち謝るな」

今年の春、オレ君の隣へと引っ越してきた大学生。今年からの新入生というワケではなく何か事情があって家を出たらしいのだが引っ越した今でも問題はつきまとっている様子。普段は物静かな人だが怒ると周りが見えなくなってしまうところも多々ある。常に物憂げな表情を浮かべている。


【オレからの一言】
引っ越してきた時は物憂げな雰囲気の文学青年ってイメージだったんだけどね。今はしょっちゅう紫乃ちゃんにお説教する声が聞こえてくるよ。まぁ、元気そうならなによりだけど。


■203号室(に通う)
紫乃(しの):東雲ルキ様

「好きになってごめんなさい。でも、止まらないんです。ボクはアナタが愛おしい。この気持ちだけはどうにもならないんだ」

高校時代の馨の後輩。気が弱く遠慮がちな性格だが馨のこととなると見境がなくなってしまい好きだなんだと迫る。とにかく迫りまくる。しかし気弱な性格のせいで直ぐに謝ってしまう。肉食なのか草食なのかハッキリしない。ぐいぐい行く癖に相手が落ちそうになると途端に臆病になる。そんなところがまた馨を苛立たせている様子。波瑠の双子の兄


【オレからの一言】
正直、最初はストーカーかと思った。でも、話してみりゃ意外に礼儀正しいし良く見れば可愛い顔してんだよな。それでもどこか、いっつも何かに怯えてるようなとこもあったんだ。最近はよく笑うようになったよ。



■双子の弟
波瑠(はる):山原晴樹さま


「可哀想な兄さん。好きって気持ちを抑えられないくせに罪悪感も捨てきれない。僕だったら、そんな兄さんを受け止められるのに」

紫乃の双子の弟で兄を愛せるのは自分しかいないと思っている。普段は上手いこと猫を被っているが兄のことになると兄以上に周りが見えなくなってしまうところがあり、馨が実家を出た原因の一つ。兄の気持ちを痛いほど理解している。本当はどうしようもなく寂しがり屋で半身のように育った兄を取られるのが不安で仕方がない。紫乃の双子の弟。


【オレからの一言】
双子って初めて見たから最初は情けないぐらい驚いたもんだ。でも、やっぱそれぞれが違った人間だからな。よく見りゃ違いもわかってきて…兄貴の紫乃以上に心細そうっていうか、なんかほっとけなくて声をかけてるうちに最近は自分から遊びにくるようになった。なんでだ?


■102号室
空(そら):ちそら様


「先生、お、おお俺っ!先生のことが、その…しゅきにゃんだ!……!?いい今のなしっ!聞かなかったことにしてええ!」

オレ君の住む部屋の下に住む専門学生。アパートの前にある書道塾に通っているらしい。落ち着きがなくよく噛むが明るくて気が利くムードメーカー的なワンコ。好きという感情を伝えずにはいられない性分で後先考えないところがたまに傷だが、全く何も考えていないわけではなく直球すぎるだけ


【オレからの一言】
最初会った時は何しゃべってるかわかんなかったんだけど、何だかんだ帰る時間帯とかも同じで顔を合わせてるうちに打ち解けたっつーか気が合うんだよな。相変わらず噛んでるけど!まぁ、最近よく泣きついてくるのが正直面倒だったりして(笑)



■書道の先生
相(あい):上村たすく様


「まったく、随分と可愛らしい噛み方ですね。…君からの好意は気付いていました。だって君って人は隠そうともしないんだもの。その潔さ、嫌いじゃありません」

オレ君の住むアパートの前に昔からある書道塾の先生。好んで着物を着ていることがあり立ち居振る舞いから風情があると近所で評判。物静かな中に漂う色気がたまらないのだとか…しかし、実際は人より動作がゆっくりなだけで普段は割とぼーっとしておりよく買い物なんかに行く際は財布を忘れたりする天然さん


【オレからの一言】
小さい頃から知ってるけど、なんつーか全っ然年取らねーってか正直年齢なんて知らないわ。いやいや一度聞いたんだけどね。聞いたら聞いたで凄く爽やかにはぐらかされた。確実に3つは年上だろうとは思う。…オレの年齢は言えねーから全然参考にならないだろうけど



















■202号室
オレ:中智

ぶっちゃけた話アパートの管理人さん。
なぜ中途半端に202号室かと言うと近所にある実家から追い出され「空いてんのそこだけだから文句言わず入れ」と脅されている。









キャラ化!第4段?

お付き合い頂きましてありがとうございました。色々すみせんした!










とまぁ、色々あってオレの周りは今日も賑やかです。アパートの管理人になってから色々なやつが出たり入ったりすんのを見守ってきたけど…なんだかんだ今の連中に愛着っての?わいてるんだよね。他の部屋の連中のことはまた今度話そうか


「あの…」

「なんだい波瑠くん」

「好きになってもいいですか?」



ああ、また波乱の予感がしてきた。







とにもかくにも


恋愛沙汰なら余所でやれっ!なんてね。

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