短編
□冬はつとめて。
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冬はつとめて。
雪の降りたるはいふ(ウ)べきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。
意
冬は早朝。
雪が降っているのは、いうまでもない。
霜が真っ白なのも、またそうでなくても、たいそう寒いときに、火などを急いでおこして、炭を持って通っていくのも、たいへん似つかわしい。
昼になって、だんだん緩んでいくと、火桶の火が白い灰ばかりになって、見劣りがする。
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