短編

□バスルームと君の手
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−ザアアァァ…


「キッドさん、お湯の温度は大丈夫ですか?」

「あァ」




−シャカシャカ


「痒い所はありませんか?」

「ねェ」








こうして毎夜、私はキッドさんの髪の毛を洗ってあげてるのです。


理由はよくわかりません。



なんせ私は拉致られた身ですから。






拉致された時のことは忘れもしません。






*******



私はとある島の美容室で美容師をしていました。


その美容室にやって来たのがキッドさんで、そりゃあもうみんなで私に押し付けたわけさ。




−シャカシャカ


「………」

「………」






−ブオオォォ


「この赤毛…地毛ですか?」

「だったら悪ィか」

「いえ、凄く綺麗ですね」

「………」






−ブオオォォ… カチッ


「お疲れ様でした」

「お前の手…、気持ち良いな」

「………へ…?」

「気に入った」


毎日俺の髪洗え。と言われ攫われてしまいましたとさ。

ってわけです。
















−ザアアァァ…


「キッドさん?」

「……zzz…」






寝やがったよこの人。

気をつけないと水死しますよ?



−お前の手…気持ち良いな−



「キッドさん…」



−気に入った−












「気に入ったのは手…だけ?」



なんてね、何言ってんだろう…









−グイッ ばっしゃああん



「んなっ!?」

「クク…ッ、気になるか?」




狸寝入りかこの野郎ォォ!!!//




「い、いいです遠慮します!!」

「そう言うなって、聞きたいなら教えてやっからよ」







バスルームと君の手




「ちゃんと好きだぜ?てめェのこともな」

「キ、キッドさん///」

「nameはどっちがいい?」

「何がですか?」

「ココか、ベッドか…」

「キッドさんの馬鹿ァ!!!」




[20100824]



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