短編
□君に届け
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俺は、nameが好きだ。
だけどお前は……
「酌しろname」
「アイアイ、キャプテン」
「name、俺も頼んでいいか?」
「勿論だよペンギンさん」
今日の戦闘で、大量に宝や酒を得た祝いとしてあげられた宴。
いつもは他の連中と馬鹿騒ぎしてるけど、そんな気分にもなれなくて船尾で一人、縁に手を置き海を眺めながら酒を呷っていた。
「格好悪ィな」
戦闘中に襲われそうになったnameを庇って負傷した俺。
俺とは対象的に、襲い掛かった奴を見事倒しnameを救った船長。
戦闘が終わるまでnameを、守り抜いたペンギン。
「……敵わねェよ」
あの二人には敵わない、そんなことはわかってる。
船長みたいに容姿端麗でもなければ、ペンギンみたいに頭も良くない。
生まれ持った才能なんかない俺にあるのは、"ヘタレ"という何とも嬉しくない称号。
惨め過ぎる…。
「あ、シャチいた!」
「!」
「もう探したんだから」
「name…、何で此処に」
できれば今は会いたくなかった。
「何でって…」
「謝ったりしたらキレんぞ」
「えっ!?」
「怪我はお前のせいじゃねェから」
「!……なん…で」
「そんなこったろうと思った」
お前が個人的な理由で、俺のところに来るはずねェもんな…
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