短編
□私を守って
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毎朝泣きながら食堂に入る、ハートの海賊団ただ一人女の子。
「…ペンギン、ベポ、
ついでにキャスケットォ〜」
「ついで!!?」
「どうしたのname!」
「…えぐ…ひぐ…」
「今度は何だ?」
「船長に胸触られたぁー」
「今に始まったことじゃねェだろう?」
只今私は、船長のセクハラに悩まされています。
やたら胸触られるわお尻触られるわで…。
何度涙で枕を濡らしまくったことか。
「まあ、あの船長だ。諦めろname」
コーヒーを飲みながら人事のように言うペンギン。
「ペンギン酷いよ…」
「な…何で泣く」
「私は、ペンギン以外に触られたくないのに!!!」
「…ッ!!!」
「もう知らない!ばかぁ」
バタンッと勢いよくドアを閉めて出ていった。
「げほっゴホッ
…今、あいつ何て!?」
「文字通りの意味だろうな」
「name、本当にペンギン大好きだね!」
「!!!」
「気づいてなかったのか!?」
「嘘だろ…///」
「あいつは、嘘つけるほど器用じゃねェよ。」
「…行ってくる」
足早にnameがいるであろう部屋へ向かった。
―コンコン
「name、俺だ」
「ペンギン?!」
「入るぞ」
ドアを開けると、いきなり飛びついてきたname。
「私、諦めるから!」
「…は?」
「船長のセクハラも、ペンギンのことも…。だからお願い!
……嫌いにならないで」
廊下に響かないように、ドアを閉めた。
「name…」
ビクッと肩を震わす。
次にかかる言葉が怖かった。
お前みたいな面倒臭いガキなんか、もう知らないなんて言われたら。
きっと私は立ち直れない。
「嫌いになんかなるかよ」
「…え?」
抱きしめ返すと、俺の腕の中でパニックを起こしてワタワタしている。
「好きなんだよ、お前が…」
「嬉しい…」
「それと船長のセクハラは諦めないでくれ(諦めたら本当に襲い掛かりそうだからな…)」
「じゃあ、ペンギンが守って?」
「当たり前だ」
私を守って
(ちょっ船長!触らないで)
(いいだろ?ガンッ…痛ってェ)
(いいわけないだろうが)
(っち…)
((何で舌打ち?))
[20100615]
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