短編

□私を守って
1ページ/1ページ






毎朝泣きながら食堂に入る、ハートの海賊団ただ一人女の子。







「…ペンギン、ベポ、
ついでにキャスケットォ〜」

「ついで!!?」

「どうしたのname!」

「…えぐ…ひぐ…」

「今度は何だ?」

「船長に胸触られたぁー」

「今に始まったことじゃねェだろう?」




只今私は、船長のセクハラに悩まされています。
やたら胸触られるわお尻触られるわで…。
何度涙で枕を濡らしまくったことか。



「まあ、あの船長だ。諦めろname」


コーヒーを飲みながら人事のように言うペンギン。




「ペンギン酷いよ…」

「な…何で泣く」

「私は、ペンギン以外に触られたくないのに!!!」

「…ッ!!!」

「もう知らない!ばかぁ」




バタンッと勢いよくドアを閉めて出ていった。




「げほっゴホッ
…今、あいつ何て!?」

「文字通りの意味だろうな」

「name、本当にペンギン大好きだね!」

「!!!」









「気づいてなかったのか!?」

「嘘だろ…///」

「あいつは、嘘つけるほど器用じゃねェよ。」

「…行ってくる」






足早にnameがいるであろう部屋へ向かった。




―コンコン





「name、俺だ」

「ペンギン?!」

「入るぞ」





ドアを開けると、いきなり飛びついてきたname。




「私、諦めるから!」

「…は?」

「船長のセクハラも、ペンギンのことも…。だからお願い!
……嫌いにならないで」



廊下に響かないように、ドアを閉めた。




「name…」



ビクッと肩を震わす。
次にかかる言葉が怖かった。

お前みたいな面倒臭いガキなんか、もう知らないなんて言われたら。
きっと私は立ち直れない。





「嫌いになんかなるかよ」

「…え?」



抱きしめ返すと、俺の腕の中でパニックを起こしてワタワタしている。





「好きなんだよ、お前が…」

「嬉しい…」

「それと船長のセクハラは諦めないでくれ(諦めたら本当に襲い掛かりそうだからな…)」

「じゃあ、ペンギンが守って?」

「当たり前だ」





私を守って





(ちょっ船長!触らないで)
(いいだろ?ガンッ…痛ってェ)
(いいわけないだろうが)
(っち…)
((何で舌打ち?))




[20100615]



.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ