たからもの。
□花に恋した男
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次の日・・・
「っ・・・!」
悟空は息を呑んだ
「なんなんだよ・・・これ」
悟空が見つめるのはあのつぼみをつけた植物。
それはつぼみが吹っ飛ばされて、淋しいものになっていた
「そんな・・・」
全部・・・全部・・・吹っ飛ばされちまった!!
悟空はきつく胸が締め付けられるのを感じた
「・・・。」
・・・胸が苦しい・・・どうなっちまったんだ?
「・・・あ」
ふと、思い出したことがある
昔、オラが小さい時に言ってた・・・ブルマの言葉
「あのテレビの男の人、わりといい男じゃない?」
「んー?そうかぁ?」
「やっぱり、孫くんに行ったのは間違いだったわ」
「なんで?」
「恋を知らないんですもん」
「コイ?なんだそれ?」
「簡単にいうと胸がギューッと苦しくなって、顔が熱くなることよ」
「フーン・・・」
「もしかしてオラ、こいつに・・・
・・・ん、あっ!?」
悟空が見たのは、全部吹っ飛ばされたと思っていたつぼみが1つだけ、残っていたのだ
「・・・よ、よかったぁ〜」
1つだけでも・・・残っていてよかったぞ
悟空は安心した。そして誓った
「なんとしてもこの最後の1つ、守ってみせる!」
___________
こうして、悟空のつぼみを守る作業が始まった!
日照りの日には水をあげて、風が強い日にはシートをかけてあげた
このころになるとつぼみはだいぶ膨らんできていた
もう少しで咲きそうだな
そしてついに
「オッス!・・・って、あぁ!?」
花が・・・花が咲いてる!!
そこには2〜3pぐらいのちいさな青い花
ちいさな花だが悟空は嬉しくなった
「やった、やったぞぉ!!」
と、喜んでいたら
「どうしたんですか?」
「ご、悟飯!?どうしてここに!?」
悟飯に見つかった
「最近、お父さん・・・慌て行っちゃうから気になって」
「あ、はは〜(汗)・・・実はさ」
悟空は今までこの植物を育てていたことを話した
「なるほど・・・あっこれは!珍しいなぁ【ブルースター】ですよ!」
「ブルー・・・スター・・・?」
「そうです。この山で見るのは初めてですよ!もぉーお父さん!こういうことは早く言ってくださいよ。僕もお世話したかったです!」
「そ、そうか?はは・・・(汗)」
「でも、ブルースターってたくさんの花咲かせるはずですけど、1つしか咲いてませんね」
「風が強い日があっただろ?あの時にみんな吹っ飛んでしまってよぉ」
「そうなんですか・・・でも珍しいですね。お父さんが花の世話なんて」
「ちょっと気になっちまってさ」
「そういえば、知ってますか?」
「なにを・・・?」
「ブルースターの花言葉ですよ」
「・・・分かんねぇ」
悟空がそういうと悟飯がそっと、恥ずかしそうに耳打ちした
「ブルースターの花言葉は・・・」
「なっ!?」
もしかしてそれって
オラに対して・・・?
悟空はブルースターを見た
ザザザ・・・
その時そよ風が吹いて、ブルースターを揺らした。まるで悟空の思っている通りだよと頷くかのように
「っ!!」
その時の悟空の顔は
りんごよりも
トマトよりも
真っ赤だったという
花に恋した男
「ブルースターの花言葉は、【幸福な愛】ですよ。」