novel ss1

□すれ違う想い
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もうどうしようもないってばよ…



最近、サクラと一緒に過ごすことが辛いと感じるようになった。
一緒に居られることは嬉しいのだ。
でも、こんなにも好きで好きでたまらない。
会えなかった時間が、さらにサクラへの想いを深く強くしていた。

その揺れる髪に触れたい
前を歩く背中を抱きしめてしまいたくなる
そして、その先を望む自分



同志としての今の関係を壊すのが怖い



だからこの気持ちは自分の深いところに、鍵をかけて閉じ込める
そう決めた。
せめて彼女と約束をを果たすその時までは。
そう、自分に言い聞かせる。


なんとか今日も一緒の任務をやり遂げる。
帰り道、以前なら並んで帰ることが嬉しくてたまらなかったのに
今は早く分かれ道に着かないかと心の中で願う

それでも一緒に居たい気持ちに嘘はつけなくて、
分かれ道が近付くにつれて自然と足取りが重くなっていく。
あの角を曲がれば、サクラとはお別れなのだ。

「ねぇ、どうしたのよ?」不意にサクラが問いかける
「なんでもないってばよ…」

最近ヘンよ? 体調でも悪いんじゃ… と言いながらサクラが額に手を伸ばす

ナルトは反射的にサクラの手を払いのけるように額から離す。

「………なに?」

傷ついたような驚いたようなサクラの顔を見て、ナルトは焦る

「ご…ごめん!俺ってば先に帰る!」

立ち尽くすサクラを残し、ナルトは走り去った。





「なんなのよ…」





サクラは小さくなるナルトの後ろ姿を見ながら立ち尽くしていた。



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